あたらしいM&Aのかたち

こんにちは。
企業内診断士のnob.と申します。
企業で事業開発などを行っています。

私事ですが、最近「事業承継研究会」に入会しました。事業承継の際のM&Aについて研究する会です。
さらに、自治体が行っている「M&A専門家養成講座」にも登録しちゃいました。
今、中小企業のM&Aが注目されていますよね。やまてつさんのブログや、よっしさんのブログにも取り上げていらっしゃいました。
最近気になっている小さめM&Aの潮流について、私からもお話したいと思います。


少し前になりますが、THRASIO社が日本にもやってきました。
皆さん、THRASIO社をご存じでしたか?

THRASIO社とは?

米国市場最短で時価総額1000億円(10億ドル)を達成したスタートアップ(ベンチャー)企業です。

この会社がやっている事としては
Amazonに出店している中小企業のうち、FBAまたはD2Cをやっていたりする企業を買収します。
買収後は、配送管理・在庫管理・マーケティング・広告戦略等をTHRASIO社が行い、ブランド価値を向上させます。

FBA:商品をAmazonの倉庫に入れておけば、受注後のピッキング、梱包、発送・カスタマーサービス等全てAmazonが代行してくれるサービス
D2C:Direct to Consumerの略で、製造者が卸や小売りを介さず、直に消費者に販売するビジネスモデル

THRASIO社は、中小の出店企業が持っている
・いい商品があるのに、売り方が分からない
・売上が伸びてきたが、業務量をさばく体力がなく事業を回せない
といったペインに対し、
・自社のマーケティングノウハウ・データ活用ノウハウを持ってブランド認知向上
・買収ブランドに横串を刺し管理をすることで、オペレーションの効率化
という価値を提供し、その企業の持っている一番の「ええとこ」を伸ばします。

ウケている要因・強みとしては
・M&Aのスピード感。通常、M&Aには半年以上の時間がかかる事が多いのですが、THRASIO社は1か月程度で手続きを完了。爆速で規模を拡大。
・買収ブランドの目利き力。爆速買収はさることながら、一見ニッチで売れなさそう・・・だけどええやん!な消費財ブランドを見出し、独自の「売り出し方」によって大きく成長させる。
・被買収経営者の目線に立った交渉姿勢
といったところのようです。

そんなTHRASIO社が今年日本にも上陸しました。

日本ではどのようになっていくのでしょうか。

THRASIO社はワールドワイドに展開しているのですが、国ごとのEC文化の違いなどを受けて、広まる・広まらない、の差はあるようです。

また、日本でもEC企業のCRMやマーケティングをやっていたような企業が、M&Aモデルを始めている事が散見されます。
そういった会社の中には、THRASIO社のように買収先をAMAZON等プラットフォーム出店企業に絞ったやり方ではなく、
広~く中小のものづくり・製造業をM&Aによって取り込んで再生させるスキームを取る企業も登場しています。
先日某新聞に掲載されていたMOON-X社の記事は大変興味深く拝見しました。

もともと日本とアメリカではM&Aのイメージが違う(日本では、マイナスイメージが先行しており、進みにくい)
点があり、浸透は難しいという意見もあります。
一方で、事業成長を効率よくするという視点でのM&Aを行うTHRASIOモデルのような企業が出てきている今。
動向を興味深くウォッチしていきたいと思います。


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nob.|中小企業診断士
大手物流企業勤務。総務・労務・教育・採用の人事関連をひととおり経験。並行して物流企画・オペレーション構築をPJチーム的に担当。直近数年は経営数値管理が生業。2児の母。寝かしつけと共に寝落ちする毎日。AM3時からがハッピーアワー。



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