先日、人生初の「胃カメラ」体験しました。画面を見る余裕なんてなかったぜ。じょりさんです。
「そういえば」も、白々しいですが…
本日はじょりさんの誕生日!こんな暑いなか出産してくれた母上に感謝です。
行列のできるかき氷屋さん
子供のころ、かき氷は夏の駄菓子でしたが、いまや1杯2,000円近くするものも。じょりさんはジャンボモナカで十分満足ですが、近くの商店街にもそんなかき氷屋さんがあります。ネットや雑誌などで情報を知り、遠くからもお客さんがやってきているようです。
本日は、そんなかき氷屋さんを題材に会計を考えてみようと思います。
かき氷を何杯売れば、儲かるのか?
入ってきたお金から、出ていったお金をひいた残りが儲けです。商売ですから、儲けが出ないと続けられません。どれくらい売れれば儲かるのか?というプランを『利益計画』といいます。
今回は1杯1,500円で販売するとして、氷やシロップなどの材料費は350円、お店の家賃が月10万円かかるとします。この前提で、月20日営業するときの、かき氷1杯の原価を考えます。
夏は1日100杯売れます。
《夏》 1日100杯 | ||
材料費 | 700,000 | 350円×100杯×20日 |
家賃 | 100,000 | 1か月 |
合計 | 800,000 |
1日100杯ですから、100杯×20日=2,000杯売れます。
費用は合計800,000円ですので、2,000で割ると1杯は400円で作れることになります。
このかき氷屋さんは冬も営業してまして、冬のお客さんが1日5人の時のかき氷1杯は
《冬》 1日5杯 | ||
材料費 | 35,000 | 350円×5杯×20日 |
家賃 | 100,000 | 1か月 |
合計 | 135,000 |
費用の合計135,000円を100杯(5杯×20日)で割ると、1杯1,350円
売れる数によって、1杯あたりの原価は変わるのです。
いっぱいつくると安くなる
材料費の350円は1杯あたりの費用ですが、家賃10万円は1ヵ月の費用です。この材料費を変動費・家賃を固定費といいます。
変動費は数に比例する原価。1杯350円なら、2杯で700円です。一方の固定費は、1杯でも2杯でも変わりません。固定費は売れた数で分けるので、たくさん売れれば1杯あたりの費用は少なくなるのです。
作れば作るほど安く作れるというのは、この固定費のせい(おかげ)なんです。
かき氷1杯の内訳をみると
夏のかき氷 | 冬のかき氷 | |
材料費 | 350 | 350 |
家賃 | 50 | 1,000 |
合計 | 400 | 1,350 |
ちょっと不思議な感じがしますが、1杯あたりに直すと『変動費』と呼ばれる材料費は変わらず、『固定費』である家賃が変化します。
1杯あたりの利益はこうなります
夏 | 冬 | |
売値 | 1,500 | 1,500 |
費用 | 400 | 1,350 |
利益 | 1,100 | 150 |
冬の利益を増やしたいところです。
ではここから一緒に考えてみてください。
特別注文に応じるべきか?
冬のある日、結婚式の2次会でかき氷を出したいので、20人分作ってほしいとの依頼がありました。冬は売り上げがさっぱりですから、願ってもない依頼です。
ただし、20人分注文するから、20,000円にまけてと言われました。この注文をあなたなら引き受けますか?
20人分20,000円ですから、1杯あたり1,000円で販売することになります。
冬は、1杯作るのに1,350円かかってましたから、損するように見えます。
計算してみます
(家賃は月10万円を20日で割って1日5,000で計算しています。)
●注文を受けない場合 | |||
売上 | 7,500 | 1,500×5杯 | |
費用 | 6,750 | 350×5杯+家賃1日5,000 | |
利益 | 750 |
●注文を受ける場合 | |||
売上 | 27,500 | 1,500×5杯+20,000 | |
費用 | 13,750 | 350×25杯+家賃1日5,000 | |
利益 | 13,750 |
注文を受けないときは利益が750円、受けたときの利益は13,750円ですので、注文を受けた方がもうかります。
いくらまでなら下げられるか
かき氷を多く作ったことで、1杯1,350円かかるはずだった原価が下がったからですが、もっと安くても利益が出そうです。では、いくらまでなら下げられると思いますか?
ここで、費用を変動費である材料費と固定費である家賃に分けてみます。
●注文を受けない場合 | |||
売上 | 7,500 | 1,500×5杯 | |
変動費 | 1,750 | 350×5杯 | |
固定費 | 5,000 | 家賃1日分 | |
利益 | 750 |
●注文を受ける場合 | |||
売上 | 27,500 | 1,500×5杯+20,000 | |
変動費 | 13,750 | 350×25杯 | |
固定費 | 5,000 | 家賃1日分 | |
利益 | 13,750 |
固定費5,000は何杯作っても変わりません。このような費用『埋没原価』と呼びます。埋没原価は、儲かるどうかの判断に影響しません。
ですので、かき氷の最低価格(損をしない販売価格)は変動費の1杯350円になります。
結局、何杯売れば儲かるのか。
利益がちょうどゼロになる。売上高を『損益分岐点売上高』と呼びます。
収支トントンというやつです。
売上-費用=利益ですので、この利益が0になるのが分岐点です。
先ほど同様、費用を変動費と固定費に分けます
売上-変動費-固定費=利益0
固定費は1日5,000円です。
売上-変動費-5,000=0
売上-変動費=5,000になればよいことになります。
売上は1杯1,500円、変動費は1杯350円ですので、1杯売れば1,150円儲かります。
ということは、5,000÷1,150=4.34…杯
1日5杯売れれば儲かるという事になります。
ブログ村ランキングに参加しています!
少しでもブログが役に立った!面白い!と思っていただけた方は、下のボタンを”ポチッ”と押して下さい!中小企業診断士が、より社会を”パッと”明るくするためにも、応援よろしくお願いいたします!
にほんブログ村 | 中小企業診断士ランキング |
執筆者
じょりさん|中小企業診断士
簿記講師。趣味はお風呂巡りと折り紙。サウナ従業員・レンタルビデオ店員・ラーメン屋などなどを経て簿記講師となる。この春からパソコン講師にもなる予定。モットーは為せば成る。でも人間できないこともある。
コメント