「デザイン思考」と「中小企業診断士」の関わり vol.8

「デザイン思考」による差別化を目指して

 こんにちは、ヤマジュンです。ブログ9周目突入です。もう3月も半ば。あっという間に一年が経ちそうですね。診断士としての話題としては、事業再構築補助金の詳細が出ましたね。まだまだコロナの影響も続き大変な状況ではありますが、それに対して少しづつ動き出しているところはあります。大変な時に、どれだけ前を向いて立ち向かっていけるか。ほんの少しでもパッと明るくすることが出来れば、次につながる元気になる。私はそう信じています。では、私の個人的なテーマである、「デザイン思考と中小企業診断士」も今回が最後となります。全7回をまとめていきたいと思います。

 最後のおさらいです。デザイン思考の概念として、 『デザイン思考の5段階』という思考モデル があることを、これまで述べました。

(1) 共感 (Empathise) – ユーザーの行動を理解し、寄り添い、何が問題なのかを見つける
(2) 定義 (Define) – ユーザーのニーズや問題点、みずからが考えることをはっきりさせる
(3) 概念化 (Ideate) – 仮説を立て、新しい解決方法となるアイデアを生み出す
(4) 試作 (Prototype) – 問題に取組み始める
(5) テスト (Test) – 検証こそが解決方法

引用元:「デザイン思考」とは?AppleやGoogleも採用している話題のアプローチ方法をわかりやすく解説

 この思考モデルからの結論は、中小企業診断士は既に、

ユーザーやクライアントへの診断業務に、
この思考プロセスを使っているということ

 です。診断士の試験勉強や活動を通じて、実はデザイン思考が染みついているんだということです。そして、ただ表面上ではなく、

他の診断士と差別化をするために、深く理解をする

 ことが大切だと述べさせていただきました。そしてそのために述べてきたことを、まとめて下記に記します。

(1)共感 (Empathise)-診断士バージョン
 まず、顧問先の社長の考えを理解し、どのようにしていきたいかという方向性を探ります。なぜそのドメイン(事業領域)に進もうとしているのか、そこでの事業展開が成功した先にはどのような可能性があるのかを想像します。ここで注意したいのは、「社長第一主義」と「社長に共感する」というのは全く別物であるということです。社長が語る言葉を鵜呑みにするのではなく、自分が本当に社長の気持ちになった時、どんな感情を抱いていて思考するのか、そこまで徹底的になりきることが大切です

(2) 定義 ( Define ) -診断士バージョン
 多くの場合、顧問先の社長は自分が求めている今後の方向性に対する想いを理解していないことが多いです。つまり、「売上・利益をあげたい」という表面的な想いを聞いて終わるのではなく、その先の「社会に役立てるサービスを提供or従業員満足を優先した経営をしたいor新規領域に進出して名前を世に広めたいなど…」という潜在的な想いを探り、最適解を考え抜くのがここでいう定義です。定義は、これからの概念化の下地となるので、慎重に決めていきましょう。

(3) 概念化 (Ideate) -診断士バージョン
 顧問先の社長が実現したいことを定義できたら、それを解決するためのアイデアを出していきます。このとき、ひとつの問題に対してチームで意見を出し合っていくブレインストーミングなどの手法が有効です。たとえば前述の今後の経営戦略の例でも、「新規領域に進出して名前を世に広めたいなど」というニーズを満たすには、
◎既存の商品の強みはなにか、それを分析しコストの少ない領域を探る
◎新たなブランドを作成するのか、どういったブランドイメージを想起させたいか
など、いろんなアイデアが考えられます。
(4) 試作 (Prototype) -診断士バージョン
  意見を出し合ってアイデアが固まったら、今度は経営戦略に基づいた製品・サービスの試作品を作る段階です。このときは固まったアイデアをもとに、とにかく試作品を完成させることだけを目指しましょう。アイデアというのは実際に形にしてみることで新たな問題点が浮かんでくるものなので、「とりあえず形にする」ということがとても大事なのです。

(5) テスト (Test)
改善アイデア・試作製品を経営実行、マーケットに出して検証を行いましょう。ユーザーからのフィードバックをもとに適宜改善を行っていきます。洗い出したユーザーニーズが正しかったか、製品が洗い出したニーズにそぐうものになっているかをよく考えましょう。フィードバックを得たら、必要に応じて1~5の手順を素早く繰り返していきます。

【実践】”デザイン思考”を使ってみる


 あなたは、中小企業診断士。先行きがなかなか見通せないある企業に赴き、業績回復に全力を尽くします。ただ、どうしても上手くいかない・・・学んだ経営理論で、他社成功事例を流用し、様々な切り口で斬新なアイデアを提案するのですが、一向に業績は良くなりません。どうすればいいのか、頭を悩ませているその時、デザイン思考というものを学びます。少しでも状況を打破できるのであれば、そんな思いで紐解くと、様々な学びがありました。

×自分の知識に頼ったカッコいい理論をバンバン使う
◎社長の気持ちをまず考える。それに沿った適切な知識・アイデアを展開する

×単純に売上・利益の向上だけを目的に突き進む
◎売上・利益だけでなく、その他の目指す方向、犠牲にしてはならないことを明確化する

×一人で簡単なアイデアで突き進める
◎出来る限り仲間内で意見を出し合い、どのアイデアが適切かをきちんと精査する

×アイデアをこねくり回して、完璧なものにしようと時間をかける
◎アイデアを即実践。とりあえず形にする、実行することを重視する。

×アイデアを実践。1回きりの実践で、成功失敗を判断する。
◎アイデアを実践。相手からの反応や感想を受け止め、複数回検証を行う。

 これらを学んだあなたは、今までのやり方を捨て、愚直に実践を繰り返しました。すると、企業は今までにはない、パッと明るい業績回復の見込みが立ち始めました。それはやがて大きな成長に繋がり、コロナが収まった今、業界を代表する企業になりましたとさ…

デザイン思考は魔法のような思考法ではない。

 デザイン思考を学んでの率直な感想です。ただ上記の内容を本当に継続して行えるのであれば、魔法のような効果を生み出せるのではないでしょうか?

診断士として、診断士に限らないですが、活躍している人はパワフルに思考錯誤を繰り返して、実践し続けていると思います。クヨクヨと考えるばかりでなく、行動し最初は効果がなくても、徐々に広げていける。

 ウィズコロナ、アフターコロナ、これらを乗り越えるのもデザイン思考を使うと効果的だと思います。

 社会をパッと明るく、SANではそう掲げています。そのためにはどうすればいいか、その引き出しとして「デザイン思考」を私は使っていきたいと思います。皆さんにとってもこのデザイン思考のまとめが役に立ち、パッと明るくなるようなアイデアにつなげられることを願っております!


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執筆者

ヤマジュン|中小企業診断士・ウェブ解析士
製造業にて管理会計や標準原価計算ベースの原価管理、連結会計による海外子会社管理などに取り組む。会計、システムの本当の意味での活用方法を、日々試行錯誤。デザイン、WEBマーケティングに関しても興味があり、スキル向上に励む毎日。



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