ちいさなことからコツコツと

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小指がしびれて

整形外科にいきましたら、50肩と診断されました。40代で50肩。体は未来を生きているようです。じょりさんです。

今回は財務分析のお話です。「財務」に「分析」とくると難しいイメージですが、クイズ形式ですので、しばらくお付き合いください。

もちろん、結婚を前提とした真剣なお付き合いではありませんので、お気楽に♪

あなたが1万円の買い物をする時、お店の取り分(利益)はいくらだと思いますか?

半分でしょうか?それとも3割?1割?

 お店といっても幅広いですので本日は

だれもが行ったことのある「スーパー」で考えます。

ライフというスーパーをご存じですか? 

(ご存じない方は、ダイエーを今風に元気よくしたお店をイメージしてください。)

飽和気味のスーパー業界にあって、近畿と首都圏を中心にドミナント出店を加速しています。(現在275店舗)

以下、ライフコーポレーションの財務諸表を資料として使用します。

上場企業の財務諸表は、EDINETというサイトから探すことができますので、興味のある方は、そちらものぞいてみてください。

ではさっそく第1問

スーパーでかかる費用を『5つ』あげてください。

利益は、収益-費用で計算します。

収益とは、ズバリ売上げのこと。

売上から費用を引いた残りが利益です。

その費用となるものを5つ考えてください。

イメージわきましたでしょうか?

高いものから順にあげていきますね。

① 商品の仕入れ代 488,919(百万円)

モノを売るには、まず買ってこないとダメですね。スーパーではこれが最もかかります。売上原価といわれるやつです。

② 人件費 95,149(百万円)

 月々の給料のほかに、ボーナス、退職金、それと福利厚生の費用も含めています。

③ 家賃 28,287(百万円)

 ライフはネット販売にも力を入れておりますが、店舗の賃借料が第3位です。

④ 運賃 27,652(百万円)

 ライフは社内に配送部門をもち、いったん仕入れた商品を各店舗へ運搬しております。

⑤ 減価償却費 12,673(百万円)

 建物や冷蔵庫、エアコンなど大型の設備はその費用を複数年で分割して費用にします。

そのほか、販売促進費(チラシやネット広告)・

水道光熱費・改装費用などがかかっています。

単位は(百万円)ですので、商品の仕入れ代は、488,919(百万円)=4,889億円ということです。ひえー😱

ちなみにライフの法人税は31億円。純利益は77億円です。税金31億円払うぐらい稼いでみたいものですなー。

では第2問、これが本題。

ライフで1万円分の商品を買ったとき、いろんな費用を除いたあと、ライフに残る利益はいくらでしょう?

(商品ごとの利益率など考えずざっくりです)

第1問でスーパーでかかる費用についてみました。売上から商品代金を引き、給料を引き、家賃を引き…などなどを引いた残りが利益です。(この利益を営業利益といいます。)

今回は選択肢をつけます。

① 5,000円以上

② 3,000円

③ 2,000円

④ 1,000円

⑤ 500円

⑥ 250円以下

選べましたか?

1万円の買い物をして、いろんな費用を払ったあとのライフの利益は…

なんと199.85円!

正解は⑥250円以下でした。

もっというと200円以下。

スーパー業界の厳しさが感じられる結果です。

どうやって計算するかといいますと、

「営業利益」を「売上高」で割ることで求められます。

ライフの損益計算書はこんな感じでした。

売上高 693,062 商品の売値
売上原価 488,919 商品の仕入値
販管費 190,291 売るための費用
営業利益 13,851 ライフの取り分

1万円使ったケースを想定していますので、

割った数字に1万円を掛けますと…

営業利益13,851÷売上高693,062× 1万円=199.85となります。

いやー1万円売って200円にもならないって、薄利多売にもほどがあります。

しかもそれで77億円の利益って。ちりも積もればですね。

さっきの損益計算書を100%で表しますと

売上高 100.0% 商品の売値
売上原価 70.5% 商品の仕入値
販管費 27.5% 売るための費用
営業利益 2% ライフの取り分

こうなります。

この100%の表を使って考えてみましょう。

第3問

『おーいお茶』(500ml)が84円で売られていました。『おーいお茶』が1本売れたとき、ライフの利益はいくらでしょう?

84円×営業利益2%=1.68円

これでクレームでもつけられた日にゃたまったものではありませんね。

第4問

ライフはこの『おーいお茶』をいくらで仕入れたでしょう?

84円×売上原価70.5%=59.2円

ライフは59.2円で仕入れた商品を84円で販売したことになります。この差額24.8円から給料やら家賃やら払っていき、残るのが1.68円ということです。

おまけ問題

では、伊藤園は『おーいお茶』をいくらで作ったのか考えてみます。

伊藤園の損益計算書です。

売上高 394,495 商品の売値
売上原価 209,529 商品を作る費用
販管費 169,114 売るための費用
営業利益 15,851 伊藤園の取り分

これを100%で表しますと

売上高 100.0% 商品の売値
売上原価 53.1% 商品を作る費用
販管費 41.9% 売るための費用
営業利益 4% 伊藤園の取り分

こうなります。

ライフが84円で販売していたおーいお茶は、伊藤園から59.2円で仕入れた商品でした。

つまり、伊藤園の売値が59.2円。

ここから、伊藤園が作るのにかかった費用を考えます。

59.2×売上原価53.1%=31.4円

約半値で作っているのですね。

(繰り返しますが、これは全体で見ていますので、平均値です。)

ライフと伊藤園を並べてみますと

 ライフ         伊藤園

売上高 100.0% 売上高 100.0%
売上原価 70.5% 売上原価 53.1%
販管費 27.5% 販管費 41.9%
営業利益 2% 営業利益 4%

こうなります。

利益は2%と4%これはこれで倍の開きがありますが、注目したいのはその下。売上原価の割合、販管費の割合が大きく違いますね。

これはモノを仕入れて売るライフと、作って売る伊藤園の違いです。

消費者から見ると『おーいお茶』を買うのは、ライフでなくてもよいわけです。自動販売機でもコンビニでもほかのスーパーでもいい。

だから、高い値段を付けられないのです。

しかし、ライフは少々高くても『おーいお茶』は伊藤園からでしか買えない。

作っていると、こういう強みがあります。

でも、作っても売れなかったら?

そう、だから宣伝をします。芸能人を使ったCMを作り、広告を載せるのです。

そのため販管費は伊藤園の方が高くなっているのです。

本日ここまで。お付き合いありがとうございました。



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執筆者

じょりさん|中小企業診断士
簿記講師。趣味はお風呂巡りと折り紙。サウナ従業員・レンタルビデオ店員・ラーメン屋などなどを経て簿記講師となる。この春からパソコン講師にもなる予定。モットーは為せば成る。でも人間できないこともある。



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