【取材記事】NPO法人子育ては親育て・みのりのもり劇場さん その2

みなさまこんにちは!
さて、前回の取材記事の続き、第2弾となります。

みのりのもりさんはNPOとして活動されていますが、非営利といえど活動される上で、どのように事業展開をされるかはとても大切です。我々は中小企業診断士ですが、事業展開として見る視点は「ヒト・モノ・カネ・情報」や「ビジョンとミッション」など、それぞれの視点を持ち合わせています。

それらの視点とみのりのもりの視点は、どのように交わるのか・・・ぜひお楽しみください! 

目次

みのりのもりの事業展開とは

SAN

園長先生の呼びかけがきっかけのNPOが、なぜこの太秦で生まれ、どうしてこんなにも大きく育ったのでしょう?

みのりのもり:幼稚園のPTA仲間がNPOになり、15年も続けていると言うと、とても驚かれますが、実は、私たちの方がもっと不思議に感じています。

たぶん、「これは面白いな」「楽しそう」っていうメンバーが、ちょうど集まったからかもしれません。やりたいからやっているので、「誰かのため」というわけではないんですよね。

例えば、当時ここ”キネマ・キッチン”には、スタッフの子どもたちが、学校帰りや塾の行きかえりにランドセルで立ち寄ってくれるんですが、帰る場所が自分の家だけじゃないって、子どもにとっても親にとっても大きな価値なんだと感じます。

夏休みには、集まって来て兄弟姉妹のように宿題をしたり、NPOの仕事を手伝ってくれたりしてて・・・。どの子が誰の子かもわからなくなってくるんですが(笑)

自分たちが、子どもの頃を思い出すと、近所のおじちゃん、おばちゃんからいろんなことを教わったし、注意されたこともあるし、ある意味おせっかいというか、そういう世界だったと思います。

ここでは、自分の子も、よその子も「みんなの子ども」として関わっていきたい。そうして子どもたちが「大人になるのは嫌だな」じゃなくて、「あんなおじちゃん、おばちゃんになりたい」っていうような世界になったらいいなとここを始めたときから思っています。 こんな感じで、私たちは、扱いたいテーマや方向性に沿って事業を進め来ています。

SAN

今もお子さんたちは立ち寄られるんですか?

みのりのもりわたしたちの子どもはもう大きくなって、もう孫が生まれるほどです(笑)。

改めてここまでやってこれた理由を考えてみると、メンバーだけではなく“お芝居”というコンテンツもよかったんだと思います。「うちにもきてください」とか「オリジナルで何かやってもらえませんか?といった調子で、どんどん口コミが広がって、あちらこちらから問い合わせが入るようになりました。

あれよあれよという感じで、幼稚園の保護者以外を対象にしたお芝居もやるようになりました。例えば、医療だったり、エコだったり、在日外国人だったり。遺言をテーマにしたときもありました。難しいテーマでもお芝居にすることで理解が進んだり、わからないところを聞きやすくなったりするんです。
「さっきのあれはどういうことなんですか?」「この場合だとどうなるんでしょう?」とリラックスしながら自分の聞きたいことを聞ける雰囲気になるようです。このようにお芝居を通じてみんなで悩みを共有して、ディスカッションをして「みんなの悩みを軽くしていけたらいいな」と考えています。

出所:みのりのもりWEBサイト
SAN

「地域の人たち」がキーワードなのでしょうか?


みのりのもり:はい。今までも、これからも地域の交流や、困っていることの解決に取り組んで、世の中をもっと元気にしていきたいと考えています。

当初は、自分たちの子育てを救いたくて、子育て支援から始めましたが、そのうち、「子育ては親子だけでは解決できない」と気づきました。だから、地域に目を向けることになって、そして、まちくりにも関わっていくようになっていきました。

SAN

それがこの“右京じかん”の発刊に繋がっていくわけですね。京都には、他にもたくさんのミニコミ誌があると思うのですが、他の雑誌との違いはどんなところにありますか?

みのりのもり:“右京じかん”では、情報そのものではなく、情報の向こうにある“ひと”に焦点をあてることにこだわっています。

例えば、西田はひどい方向音痴で、取材先にたどり着けず途方に暮れることがよくあります。ところが、道に迷った先で出会ったひとの中から面白いひとを見つけて、しっかり取材をして帰ってきてしまうのです。このように企画も大切なのですが「それぞれの地域にどれだけ素晴らしい人がいるか」を伝えるのが“右京じかん”なのです。そこが大きな違いだと思います。

おかげさまで、取材を通して、本当に素晴らしい方々と出会うことができました。足も弱ってきている中、わざわざここへ訪ねて来てくださるおじいちゃんもいらっしゃいます。

特にこの”右京びと”というコーナーが良い例です。掲載された方のお写真を撮って、次の号に載せるだけの企画なのですが、掲載号をお持ちして、また撮らせてもらうので、都合3回はお会いすることになるんです。このように、繰り返しお会いすることで、どんどん絆が深まっていくのです。また、掲載された方が、自らお知り合いに配り歩いて、PRしてくださったりするので、知らない間に設置場所が増えているなんてこともよくあります。(笑)

SAN

取材対象者が、誌面づくりや配布活動に参加してくださって、関係者がどんどん広がっていくのですね。まさにコミュニケーションを生み出すミニコミ誌なのですね。

みのりのもり:そうなんです!しかもそれだけじゃなくって、この活動を継続していることで「うちの会社のパンフレットを作って欲しい」や「地域に貢献できるようなビジネスがしたい」など、企業さんから相談を頂くことが、少しづつ増えていきました。この“右京じかん”は、まさに私たちの大きな名刺というようものに育っています。どんなパンフレットを作るよりも、”右京じかん”を見ていただくことが、私たちの考えを1番理解してもらえると考えています。

SAN

” はあと・フレンズ・ストア”の運営もその流れから受託されたのでしょうか?

みのりのもり:“はあと・フレンズ・ストア”の運営は、企業さんからのご相談ではなく、京都市さんから公募のお声がけがあり、「何かのご縁かな?」ということで応募しました。これまでは地域活性という大きなテーマで取り組んでいましたが、このときは、初めて障がい者福祉という絞り込んだテーマでの事業でした。

“はあと・フレンズ・ストア”で販売されている商品は、素敵でクオリティの高い商品が多く、一昔前のイメージを持っていた私たちは、とても驚きました。
そこで、私たちは、この素敵な商品をどんどんPRすることからスタートしました。

単に、お預かりした商品をそのまま販売するのではなく、値札やパッケージデザイン、キャッチコピーなど、作業所と意見交換をしながら販売しました。
福祉施設の利用者が作った製品だからではなく、「なんて素敵な商品!」と感じて手に取ったお客さんが、たまたま裏を見たら「これって福祉施設の人が作っているんだ」と知る。そういう商品、販売形態をつくっていきたいという思いがありました。

SAN

” この取材のきっかけとなったSDGsバッジもその作業所さんにお願いしているのでしょうか?

みのりのもり:そうです。 この委託事業で出会った施設さんの一部で作業をしてもらっています。このバッジにはとても想い出深いエピソードがあります。自分の子どもがSDGsに関わることになったことを誇りに感じてくださっている親御さんのお話なのですが、以前は、作業風景の写真が媒体に掲載されることを嫌がっておられたのですが、最近は、「どうぞ使って下さい」と自ら協力してくださるようになりました。

残念ながら、“はあと・フレンズ・ストア”の受託期間は終わったのですが、涙して「みのりのもりのおかげでここまでこれた」と言ってくださる施設さんもあり、本当に感無量でした。

あとがき

 皆様いかがだったでしょうか?やりたいからやっているので、「誰かのため」というわけではない、という言葉がとても印象的でした。しかし、やりたいことが結果的に、みのりのもりさんの事業を発展させることに繋がっていたのです。面白いな、楽しそうだな、ということをやっていくうちに自然と人が集まってくる。右京じかんというミニコミ誌も色んな人が自然と協力してくれて、それだからこそ魅力のあるものになる。思いを込める事業が伝達する、現場での感覚を大切に事業を進める、これらの大切さを感じる取材でした。

SAN

 さて、次回最終回はみのりのもりさんが事業をされる上で苦労されたこと、そして10年後の活動についてに関する取材内容となっています。事業に苦労はつきもの、そしてどんな未来を描かれているのか、興味がつきませんね!ぜひお楽しみに!

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