Merry Christmas!!

緊急事態宣言が全国的に解除されて1ヶ月。私の住む大阪の街では、若い人たちを中心にマスク姿であること以外は、コロナ前の生活に戻りつつあるように感じます。私も行動制限が緩和されてしばらくしてからですが、友人たちと食事会に出かけてきました。「何を話したのかは全く覚えていませんが、とにかく楽しかったです(≧▽≦)」
このまま後戻りせず新しい生活様式に進みたいものです。ということで、今日は、クリスマスのお話ではなく、お正月のお話をしましょう・・・。

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お正月は休もう!

 今度のお正月は、休業する小売店が増える見通しだという記事が、12月17日(金)の日経新聞に出ていました。例えば、スーパーのライフは、正月三が日に約290店でお休みし、イトーヨーカ堂も3割の店舗が元日に休業することを決めているようです。
休業の理由は、「生産性向上」のようです。いま、小売業や飲食業の現場は新型コロナウイルスの感染対策も加わり、人手不足感が非常に強まっています。ライフによると今年(2021年)のお正月(1~2日)に休業したところ既存店売上高は前年同月比6%増と売り上げへの影響がなかったため、来年は、3が日とも休もうということになったようです。

 私が子どもの頃は、大みそかと言えば母にくっついてスーパーへ行き、売れ残って値引きされている食べ物やしめ縄を物色して、家に帰れば、お節料理を作るのを手伝ったりしてつまみ食いをするのが年中行事でした。普段は、倹約家の母もこの日ばかりは、少し気が大きくなって普段は買ってくれないようなお菓子でも買ってもらえたものでした。
ところが今や、元日からコンビニはもちろんのことスーパーや百貨店も営業しており、買いだめする意味を失っています。小売店は、年末商戦という感じで盛り上がっていますが、消費者側は「今日買う必要ある?」って感じですよね。

問題には、生産性の低さにある  

 日本の小売業は、サービス業に続いて労働生産性が低いことが問題視されています。平成24年の経済センサスによると小売業の労働生産性(従業員1人当たりの付加価値額)は製造業の半分程度になっており、このままでは、ビジネスの継続も難しい地域も増えています。特に、地方の過疎地や超都心部では、買い物難民問題が大きな社会課題として広く認識されています。

出所:平成24年経済センサスhttp://www.stat.go.jp/data/e-census/topics/topi731.html

生産性ってなに?

 労働生産性は、以下の計算式で算出しますので、店舗をクローズして従業者数を減らして、売上に変化がなければ、数値は自然に上昇します。分母が変わらず分子が小さくなるので当然の結果ですね。行動成長期からバブル崩壊前の日本は、製造業を中心に従業者数も増えていましたが、それ以上に付加価値額が上昇していたことで生産性は向上していました。

一方で、付加価値額は、どのように計算するのでしょう。付加価値額の算出式は、以下の通りです。

インフレ2%はハッピーなのか?

 このように売上高が変わらなければ、費用総額を減らすか、給与や税金をアップすれば上がる計算式になっています。前政権時代から政府与党が経済界に対して賃上げ圧力をかけ続けいている理由はここにあります。また、日銀もマイナス金利を継続して企業を後押ししています。とにかく景気を回復させ、日本全体が一丸となってデフレから脱却しようという考え方です。ではインフレは良いことなんでしょうか?

 インフレになれば、企業の売上は簡単に上がります。しかし一方で、費用もアップします。これは、デフレに慣れ切った経営者にとっては大きな環境変化になります。
デフレ時期には、売上も苦しいが、費用を抑えたり、効率アップを考えたりとやることが単純でわかりやすいという特徴がありました。ところが、インフレになり売上と費用が上がりだすと、これまで続けてきた節約や効率アップという簡単な図式ではなくなります。どこに経営資源を振り向けてどのような価値を提供するのか?という経営的視点がますます重要になるでしょう。

インフレになったらどうすればよい?!

 私を含め、今の現役世代のほとんどがデフレ時代に社会人生活を生きてきましたから、これまでにないイノベーションが求められていると言えます。「年末年始に小売店が閉める」ということもイノベーションの一種なのです。 

 大人になってからのお正月の思い出と言えば、営業所の新人だった頃の私は「年末年始にがっつり仕事をして、そのあと長期の休みをもらってスキーに行く」という生活を何年もしていました。まだ、大阪にコンビニがほとんどない時代でしたから、お昼ごはんは初詣の出店でバイト君とお正月価格のタコヤキを分け合って食べていました。
今思い返せば、そんな不便な暮らしも楽しいものです。私も、今年の年末は買いだめをして家にこもりイノベーションについて考えたいと思います。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回はあなたのビジネスにご一緒させてください。

執筆者

山本 哲也|中小企業診断士
Tetsuya Yamamoto

日本で最も早くフランチャイズチェーンシステムを取り入れ普及させたフランチャイザーに1989年から勤務。清掃スタッフを皮切りに,全国のフランチャイズ店の育成・指導,事業計画の策定,新規事業開発,法人営業などを経験。“リーダーの能力を超える事業成長はない”と考え,人の成長ありきの支援を実施。趣味は,アウトドア全般と飲み歩き。とにかくじっとしていられない。

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