商品・サービスを開発・改良するとき
こんにちは。
荒井竜哉です。
今回は商品やサービスを開発・改良する際に
ちょっと変わった視点をご提案したいと思います。
商品・サービスの開発・改良時には
「顧客起点」
「ニーズ把握」
「モノ売りからコト売り」
といったキーワードを聞くことが多いと思います。
ただ、そうは言っても
自社の立場で考えることから抜け出せず、
「頭ではわかっているけど実践できない」
という状態で、結局そのとおり発想できているか
疑問に思うことはないでしょうか。
そんなとき、
商品やサービスを「雇う」という見方で捉えると
自社の立場から抜け出すことができるかもしれません。
雇うという視点「ジョブ理論」
この「雇う」という考え方は、
アメリカの有名な教授、
クレイトン・クリステンセン氏が発表した
「ジョブ理論」によるものです。
簡単に内容についてご紹介しておくと、
- 人には片づけるべき「用事」があって
- その用事を片づけるために
- 商品やサービスを「雇っている」
という考え方です。
具体的な事例として、
「ミルクシェイクをなぜ雇ったか」
でジョブ理論が説明されています。
ミルクシェイクをなぜ雇ったか
あるファーストフードチェーン店で
ミルクシェイクの売上アップを図っていたそうです。
どうすればもっと売れるのか。
当初、ミルクシェイクの購入者に
いろんな質問をしていたそうです。
「どこを改良すればもっと買うか」
「チョコを増やせばいいのか」
「価格を下げればいいのか」
「具を増やせばいいのか」
こうやって情報を集めて分析し、改良した結果、
売上や利益には何の効果もなかったそうです。
質問の内容は確かに知りたいことですが、
よく見ると、自社の立場で顧客に問いただして
欲しい答えを顧客の中に探しているだけです。
決して顧客起点でもニーズ把握でも
コト売りでもないわけです。
このまま突き進むと、
「なぜ自社の商品を買ってくれないのか」
という顧客が思考しようがない問いまで
投げかけてしまいかねません。
そこで視点を変えたのが次の問いです。
「お客がこのレストランに来て
ミルクシェイクを『雇う』のは、
生活にどんな『用事』ができたときでしょうね?」
引用:「イノベーション・オブ・ライフ」P.115
この問いかけから、
- 顧客が職場までの出勤時のドライブで、
- 空腹を満たし、
- 腹持ちがよく、
- 運転中に手が使える
そんな「ミルクシェイク」を雇っていることが
わかったそうです。
雇った理由がわかれば、仕事をさせるだけ
雇った理由がわかればやるべきことも見えてきます。
チョコを増やすことでも
値段を下げることでもなく、
- セルフで作れるようにして朝の時間短縮を助けたり
- 粘りを増やしてより飲みごたえを出したり
- フルーツの固まりを入れて違った食感を出したり
と、顧客の「片づけるべき用事」を片づける仕事を
ミルクシェイクにさせてやればいいわけです。
「顧客起点」
「ニーズ把握」
「モノ売りからコト売り」
これらを目指すとき、
問いかけ方が非常に重要だと
ジョブ理論から学びました。
「雇う」という視点で
自社の商品・サービスを見直したり
お客様に問いかけてみてはいかがでしょうか。
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執筆者
荒井 竜哉|中小企業診断士
Arai Tatsuya
企業でのIT導入支援、運用支援を通じて、経営/業務課題の解決に取り組む。またコンサルティングファームで公的事業領域での事業計画、マネジメント支援にも従事。
マネジメントとオペレーションの両面から課題を解決することを心がけている。信条は「苦あれば楽あり」。
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