鳥貴族の新業態「トリキバーガー」
こんにちは。
製造業の業務改革支援に取り組みながら、
中小企業診断士として業種を問わず、
事業者様の支援をしています。
荒井竜哉です。
コロナ禍で経営環境の厳しい焼鳥チェーン店の鳥貴族が
この8月、チキンバーガー専門店、
「トリキバーガー」を
東京・大井町にオープンしました。
![](https://san-shindanshi.com/wp-content/uploads/2021/09/0d40a5e4a645fc6b96e767d64ac0878e-1024x493.jpg)
ハンバーガーに代表されるファストフード業態は
店内飲食だけに頼らず、
テイクアウトやデリバリーなど
多様な飲食の提供方法が可能です。
コロナ禍での影響も比較的少なく、
鳥貴族も生き残りをかけて新業態にチャレンジします。
鶏肉を使った鳥貴族らしいお店ですが、
食材以外にも鳥貴族らしさが見えたり、
逆に鳥貴族とは異なる部分が見えたりします。
今回は、トリキバーガーが鳥貴族と共通するところから
トリキバーガーの戦略を見ていきたいと思います。
鳥貴族との共通点① 均一価格
まずはトリキバーガーのメニューを見てみましょう。
![](https://san-shindanshi.com/wp-content/uploads/2021/09/o0857064714983235794.jpg)
最初に注目したいのは
「ONE PRICE 590」
の文字。
均一価格で焼き鳥を提供してきた鳥貴族らしく、
バーガーも590円と均一価格が設定されています。
どれを選んでも同じ価格ということは
価格を意識することなく
今、食べたいものを食べられる
というわかりやすさでもあります。
少し前になりますが
マクドナルドがお客さんにメニューを渡さず
急かすように商品を選ばせることで
注文時間の短縮を図っていました。
メニューがあるにも関わらず見せないことで
価格を意識させないよう働きかけ、
顧客単価を高めようとする狙いもあったようです。
ところが、これまでメニューを見て決めていたお客さんからすると
不便な上に時間もかかり、価格も高くなるので不満がたまります。
結局は多くの反発を受け、この施策は早々に中止になりました。
このように自分たちの利益と
お客さんの利益が一致していない施策は
どれだけ机上では効果がありそうに見えても
受け入れられることはない、という事例です。
その点、鳥貴族から受け継いだ「シンプルな価格」は
お客さんの満足と、商品選択の時間短縮という
双方の利益が一致した、
トリキバーガーの武器になりそうです。
鳥貴族との共通点② 独自メニューの存在
メニューを見ると、少し特徴的な商品があることがわかります。
白バンズに挟まれた「サラダチキンバーガー」
その色味やコントラストが目を引き、
商品の説明欄に「ヘルシーバーガー」とあるように
健康志向で女性にも受ける独自の商品です。
「ヤンニョムチキン」というのも初めて見ました。
朝セットに至ってはもっと独自性が前面に出ています。
![](https://san-shindanshi.com/wp-content/uploads/2021/09/o0798064814983236284.jpg)
レギュラーメニューと同じくサラダチキンバーガーもありますが
これに加えて「あんバターロール」なるものがラインアップされています。
サイドメニューも通常のポテトではなく「ニョッキ」にするなど
とにかく他のハンバーガーチェーン店では食べられない
独自性の強いメニューがそこかしこに見られます。
鳥貴族でも、「貴族焼」に代表される焼鳥が主力ではあるものの
女性に人気の独自商品「カマンベールコロッケ」や
プリンのようなアイスデザート「カタナーラアイス」といった
独自性の強い商品がラインナップされています。
![](https://san-shindanshi.com/wp-content/uploads/2021/09/katarana.jpg)
トリキバーガーも鳥貴族と同じように
チキンバーガーなどの主力商品で、主軸はしっかりと押さえつつも、
他店にはない独自メニューで脇を固めて
独自のファンを作る狙いではないかと思います。
共通点から見える、トリキバーガーの戦略
いくら鳥貴族が有名だからと言っても
ファストフード業界では後発も後発。
マクドナルドやモスバーガーのように
オーソドックスなバーガーを作っても
差別化はできません。
コンセプトとして「チキンバーガー」に絞ることで
鳥貴族らしさは出ていますが、
他チェーン店にもチキンバーガーはありますし、
チキンといえばケンタッキーもあります。
「チキンバーガー」だけでは、
鳥貴族を選ぶ理由にはなりません。
そこでトリキバーガーは
- 均一価格でわかりやすく、食事を楽しみやすくする
- 独自の商品でファンを増やしていく
この2つの視点で、1兆円とも言われるバーガー市場に
食い込んでいこうとしているのではないかと見ています。
後発企業が巨大市場で展開する価格戦略、商品戦略が
どう機能するのか、
今後の売上や出店状況に注目しています。
ブログ村ランキングに参加しています!
少しでもブログが役に立った!面白い!と思っていただけた方は、下のボタンを”ポチッ”と押して下さい!中小企業診断士が、より社会を”パッと”明るくするためにも、応援よろしくお願いいたします!
![]() にほんブログ村 | ![]() 中小企業診断士ランキング |
![](https://san-shindanshi.com/wp-content/uploads/2020/04/たっつん写真-1024x793.jpg)
執筆者
荒井 竜哉|中小企業診断士
Arai Tatsuya
企業でのIT導入支援、運用支援を通じて、経営/業務課題の解決に取り組む。またコンサルティングファームで公的事業領域での事業計画、マネジメント支援にも従事。
マネジメントとオペレーションの両面から課題を解決することを心がけている。信条は「苦あれば楽あり」。
コメント