「デザイン思考」と「中小企業診断士」の関わり vol.6

「デザイン思考」による差別化を目指して

 こんにちは、ヤマジュンです。ブログ7周目突入です。2020年も終わりですね。今年はコロナの影響で大きく社会環境が変化した1年だったかと思います。私自身も在宅が増え、新たな働き方に戸惑いつつも在宅環境を整え、少しづつ適応していったように思います。中小企業診断士としても、大きく活動の仕方が変わってくるのではないでしょうか?反対にこの働き方の変化は、非常にプラスに働くと思っています。この変化に乗って適応できるか、昔のやり方に固執するか。一過性ではないこの変化に、是非とも適応していければと思います。では、私の個人的なテーマである、「デザイン思考と中小企業診断士」について今回も執筆していきたいと思います。

 前回までのおさらいをさせていただきます。デザイン思考の概念として、 『デザイン思考の5段階』という思考モデル があることを、前回述べました。それは下記のとおりです。くどいようですが大切なことですので…すみません。

(1) 共感 (Empathise) – ユーザーの行動を理解し、寄り添い、何が問題なのかを見つける
(2) 定義 (Define) – ユーザーのニーズや問題点、みずからが考えることをはっきりさせる
(3) 概念化 (Ideate) – 仮説を立て、新しい解決方法となるアイデアを生み出す
(4) 試作 (Prototype) – 問題に取組み始める
(5) テスト (Test) – 検証こそが解決方法

引用元:「デザイン思考」とは?AppleやGoogleも採用している話題のアプローチ方法をわかりやすく解説

 この思考モデルからの結論は、中小企業診断士は既に、

ユーザーやクライアントへの診断業務に、
この思考プロセスを使っているということ

 です。診断士の試験勉強や活動を通じて、実はデザイン思考が染みついているんだということです。そして、ただ表面上ではなく、

他の診断士と差別化をするために、深く理解をする

 ことが大切だと述べさせていただきました。(詳しい経緯は前々回の記事をご覧ください)今回は、「 (3) 概念化 (Ideate)」「(4) 試作 (Prototype)」」を深堀りして差別化を目指していきたいと思います!

【今日のテーマ】”デザイナー思考”を深堀して診断士としての差別化を目指す(3)概念化、(4)試作について


 (3) 概念化、 (4) 試作 一気に確認してみましょう。 定義では、(3) 概念化 (Ideate) – 仮説を立て、新しい解決方法となるアイデアを生み出す(4) 試作 (Prototype) – 問題に取組み始める、となっています。これらを深堀していきましょう。

(3) 概念化 (Ideate)

 ユーザーが実現したいことを定義できたら、それを解決するためのアイデアを出していきます。このとき、ひとつの問題に対してチームで意見を出し合っていくブレインストーミングなどの手法が有効です。たとえば前述のプログラミング学習の例でも、「副業で稼げるようになりたい」というニーズを満たすには、

◎学習のサポートも重要だが、実際に仕事をゲットできるプロセスが提供できればより良い

◎プログラミング以外にも、副業で稼げる方法はあるのでは?

など、いろんなアイデアが考えられます。

(4) 試作 (Prototype)

 意見を出し合ってアイデアが固まったら、今度は製品やサービスの試作品を作る段階です。このときは固まったアイデアをもとに、とにかく試作品を完成させることだけを目指しましょう。アイデアというのは実際に形にしてみることで新たな問題点が浮かんでくるものなので、「とりあえず形にする」ということがとても大事なのです。

引用元:「デザイン思考」とは?AppleやGoogleも採用している話題のアプローチ方法をわかりやすく解説

 これまで同様これを診断士的に考えるとどうでしょうか?置きなおして考えてみましょう。

(3) 概念化 (Ideate) -診断士バージョン
顧問先の社長が実現したいことを定義できたら、それを解決するためのアイデアを出していきます。このとき、ひとつの問題に対してチームで意見を出し合っていくブレインストーミングなどの手法が有効です。たとえば前述の今後の経営戦略の例でも、「新規領域に進出して名前を世に広めたいなど」というニーズを満たすには、
◎既存の商品の強みはなにか、それを分析しコストの少ない領域を探る
◎新たなブランドを作成するのか、どういったブランドイメージを想起させたいか
など、いろんなアイデアが考えられます。
(4) 試作 (Prototype) -診断士バージョン
意見を出し合ってアイデアが固まったら、今度は経営戦略に基づいた製品・サービスの試作品を作る段階です。このときは固まったアイデアをもとに、とにかく試作品を完成させることだけを目指しましょう。アイデアというのは実際に形にしてみることで新たな問題点が浮かんでくるものなので、「とりあえず形にする」ということがとても大事なのです。

ちなみに、前回、前々回の(1)共感、(2) 定義 は以下となります。

(1)共感 (Empathise)-診断士バージョン
 まず、顧問先の社長の考えを理解し、どのようにしていきたいかという方向性を探ります。なぜそのドメイン(事業領域)に進もうとしているのか、そこでの事業展開が成功した先にはどのような可能性があるのかを想像します。ここで注意したいのは、「社長第一主義」と「社長に共感する」というのは全く別物であるということです。社長が語る言葉を鵜呑みにするのではなく、自分が本当に社長の気持ちになった時、どんな感情を抱いていて思考するのか、そこまで徹底的になりきることが大切です

(2) 定義 ( Define ) -診断士バージョン
 多くの場合、顧問先の社長は自分が求めている今後の方向性に対する想いを理解していないことが多いです。つまり、「売上・利益をあげたい」という表面的な想いを聞いて終わるのではなく、その先の「社会に役立てるサービスを提供or従業員満足を優先した経営をしたいor新規領域に進出して名前を世に広めたいなど…」という潜在的な想いを探り、最適解を考え抜くのがここでいう定義です。定義は、これからの概念化の下地となるので、慎重に決めていきましょう。

 (3)概念化、(4)試作、ですが、ますますデザイン思考=診断士思考、とリンクしてきたなと感じます。前々回の「共感」では、まず顧客先の社長になりきる。前回の「定義」では潜在的な想いを考え抜く、という流れでした。そして今回は、その上で、それらを実現するためのアイデアをチームでアイデアを出し合う。そのアイデアを素早く固める、とりあえず形にする。と、診断士として経営診断をしていたのですが、これは実のところ経営デザインをしていたということですね。

 アイデアを出し合うとりあえず形にする、これらも他の項目同様簡単なようで、実に多くの人にとって困難なことだと私は思います。

考えられる切り口から、素早く形にする

 まず切り口に関しては、診断士としての力量が大きく出るところですね。

・コロナ下の予算も限られている中で、どのような改善策を出せるか。商圏の限られた範囲にチラシを出すのがいいのか。インターネットを用いて広告を打つか。
・どんな補助金があるのか。顧客に適した補助金に何があるかわかっているか?
・顧客の状況を整理して、ヒトモノカネ情報ブランド何に問題があって考えられる改善策を提案できるか?

 1年ほど、活動していて診断士として活躍している人とそうでない人の差、というのが少しづつ自分の中で腑に落ちている気がしています。独自の切り口(飲食業に強い、建設業に強い)といった強みを持っていたり、診断士としてどういう仕事があるかに詳しい(事業再生など)、など①自分の領域をきちんと理解していて②相手にどうすればプラスになるかをピンポイントに考え抜ける、そんな人なのだと感じています。

なんでもやってみればいいんです。出来なかったらはい次、でいい。

 ふとYoutubeを見ていた時に聞いた言葉です。もう一つの素早く形にする、ということ。考えることなんて誰にでも出来ます。それを形にする実行力と、新たに起こる問題点に対するトライ&エラーを繰り返せる精神力。これを持っている人も、活躍している人なんだと思います。

次回、”(5) テスト (Test) – 検証こそが解決方法”を診断士的に考察する。

 今回は、概念化、試作という観点で、考えるべきところをお伝えいたしました。今まで通り、本当に大事なことが詰まっていると私は思います。だからこそ、より一層、他と差別化を出来る要素だと確信しています。

 次回は、最後、五つ目”テスト”に関してです。検証こそが解決方法、とのことですが、これまでのことを考えても、診断士としても非常に重要な思考法が隠されていると思います。デザイン思考の概念で考えれば、どういうテストを行い経営改善につなげられるのか?乞うご期待ください!

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執筆者

ヤマジュン|中小企業診断士(認定支援機関)・ウェブ解析士
製造業にて管理会計や標準原価計算ベースの原価管理、連結会計による海外子会社管理などに取り組む。会計、システムの本当の意味での活用方法を、日々試行錯誤。デザイン、WEBマーケティングに関しても興味があり、スキル向上に励む毎日。


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