【匠取材シリーズ Vol.2】小野副理事長インタビュー(個人の活動に関して)

【匠取材シリーズ Vol.2】
小野副理事長インタビュー(個人の活動に関して)

小野先生の活動に関して

 前回に引き続き、小野先生への取材で伺ったお話をお届けいたします。第2回は、小野先生個人の診断士としての活動を執筆いたします。診断士としてどのような手法を用いたコンサルティングをされているかというお話と、またそれをどういった思いを持ち活動されているのか、というなかなか普段では聞くことの出来ない具体的なお話をお聞きしましたので、ぜひご一読ください。

【取材対象】

小野 知己|中小企業診断士
おの ともみ

 神戸大学経済学部卒業。サラリーマンを経て、現在は、中堅中小企業の「経営品質の向上(ワクワクする企業創り)」を支援するコンサルタント会社、イーエムイーコンサルタンツ株式会社の代表取締役。
(イーエムイーコンサルタンツ㈱HPはコチラhttps://www.emejp.com/


 

ー小野先生は、幅広い活動をされておられますね。具体的に教えていただけますか?

 顧客企業向けで言えば、消費財を扱う企業の経営相談が多いですね。実際に食べたり使ったりすることは楽しいですし、良いものがあれば世に広めるお手伝いができますので、趣味と実益を兼ねています(笑)。支援メニューで言えば、経営品質向上、在庫経営がメインですね。また大学の講義も持たせて頂いています。
 全てのお仕事で、他の方々とパートナーシップを組んで仕事をしています。過去に大怪我をしたことで満足のいく対応が出来ず、顧客に迷惑をかけた経験から、このスタイルを取っています。万が一、私が仕事を継続できない状況になったとしても、私以外の人間が仕事を継続できる状況にしておきたい、という思いからです。
「※100年企業づくり合同会社」もそのような考え方から設立しました。中小企業の社長さんは、自分が死ぬことなんて誰も考えていません。ただ、実際に経験したことですが、顧客企業の社長さんが旅行中に亡くなられたことがありました。ただ、息子さんに必要な情報が引き継がれておらず、大変なご苦労をされました。そのような経験から「100年継続する企業のDNA創り」が必要であると考え、この事業に取り組んでいます。

※「100年企業づくり合同会社」は、志を同じくする複数のコンサルティング会社が、長寿企業の要素を分析、その結果とともに、それぞれの会社の強みをいかして、これからの「100年継続する企業のDNA創り」を支援するために創られた会社です。

―「経営品質の向上」とありますが、どういったものなのでしょうか?

「経営品質の向上」とは、顧客の要望に応えつつ、企業を発展させるために重要なテーマです。EMEでは、「※経営品質向上プログラム」に基づいた、経営革新の支援を行っています。

 ただ、標準的なプログラムがあるとは言え、具体的な課題は、顧客企業によってさまざまです。企業は有機的に繋がっており、会社全体を一気に変革することはなかなか難しい。ですから私は、「強みを活かせる部分を見つけ出して、その改善を集中的に支援して改善する」という手法をとっています。
 ある部分の改善をしっかりやり遂げることで底上げを図ることから始めて、徐々に企業全体を改革していくと言うアプローチです。やや遠回りに見えるかもしれませんが、経営資源の限られた中小企業で着実に改革を進めて行くためには、非常に実効性の高い手法だと考えています。

※「経営品質向上プログラム」とは、経営品質をはかるデファクトスタンダードである「日本経営品質賞」の評価基準のこと。

―もうひとつ、「在庫経営」というキーワードも印象的ですが。 

「在庫」に着目していますが、それはあくまで起点であり、目的は「企業文化を変えること」です。
 在庫とは一言で言うと「経営のゴミ」です。そのゴミを見れば経営の中身や問題点が見えてきます。その上でまずは在庫の最適化をやる。そして更に経営体質を変え、最終的には企業文化を変えていくと言う手法です。
 この「在庫経営」という考え方に基づく経営改善は、当社しかやっていません。他社にないオリジナルなものを提供することで、差別化を図っています。

―診断実績の中で印象に残った事例について教えて下さい。

 ある中小企業の事業承継案件ですね。形の上では先代社長から息子さんに事業を引き継いでいたのですが、その実、非常に難航していました。先代社長はあれこれと経営に口を出すし、当然ながら息子さんはそれを快く思わない。こんな状況では、間に挟まれた従業員はもうどうしようもないといった状態でした。色々と改善策は打ちましたが、最終的には社長の半生をまとめて自伝を作り、息子さんに引継ぎました。それによって先代社長が気持ちに一区切りをつけて、身を引いていただくアイデアでした。息子さんにとっても、父親を見直すよい機会になったようです。

 中小企業は良くも悪くも人間味の塊で、理屈だけでは動きません。そんな中小企業をどうやって良くしていくのか、色々な考え方や方法があると実感した事例でした。


 

インタビュアーあとがき

 第2回は、小野副理事長の診断士としてのお仕事を中心にお届けさせていただきました。コンサルティングの手法ももちろんですが、それを行われるにあたっての想いの部分に、なるほど!と思う部分が多々ありました。インタビューメンバーも皆が皆、大きく頷いていました。
 診断士として活動を行う上で、どのような想いをもって行うべきか、ということの重要性を大きく感じ、我々にとっても「社会をパッと明るく」という想いを、しっかりと持ち続け共有し、SANの活動をおこなっていきたいと思います。

 最終回は、コンサルタントとして活躍するために具体的に必要なこと、そして新しく診断士になられた方へのアドバイスをお届けいたします。ご期待ください!

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社会をパッと明るく” 
SANインタビューチーム

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