おうちでつかろう

慣れない在宅ワークで

メニエール病を発症しました、じょりさんです。
大きなことは語れませんが、身の回りで起きた小さな出来事をレポートします。
今回は『源泉を無料で配る温泉』です。

歩いて10分のところにある温泉が

源泉の無料配布をはじめたことを、ネットニュースで知りました。
「家庭で温泉気分を味わうことで、少しでもスカッとしてもらえれば」(店長談)
パッと明るくなるニュースですね。

ホームページによりますと

この源泉は800年以上も湧き続け、平清盛も湯治したといわれるほどの歴史を持つ、地元に愛される老舗です。
私事ですが昨年、人生初のギックリ腰になった時には大変お世話になりました~。

町の銭湯に行くと

自分のほかにお客さんが2・3人とか、時には貸し切り状態になることも。そんな中、この温泉には大勢の入浴客が訪れ、週末は駐車場に警備員を配置するほどの混雑ぶりです。

最新の設備があるわけではないのに、入浴料はスーパー銭湯ばり。この温泉が常に混み合っているのは、源泉目当てのお客さんが訪れているから。
源泉の湯船は、常に空くのを誰かが待っているのが、なによりの証拠なのです。そんな貴重な源泉を無料で配るとは、これはいったいDo you kotoyanen?

本当にタダでした

ペットボトルをかき集めさっそく温泉へ、運動不足と退屈しのぎにもってこいの徒歩圏内です。入り口には見慣れない蛇口と『おすそわけ温泉』の立て看板が!
コロナの影響で、この温泉の利用者も減っており「温泉に入りたいが外出は心配」という常連客の声を受けて始めたとか。
じょりさん、この湯を汲むために外出しとるけど…。

“タダより高いものはない”

ご存じ、タダで物をもらうと高い代償を支払わされるという慣用句。英語にも類似の言い回しThere’s no such thing as a free lunch.があり、万国共通ぶりがうかがえます。
内部相互補助(他の収益でカバーする)と呼ばれる無料商法は、お試しからおまけまでマーケティングでは常套手段といってよいでしょう。

しかし今回は無料配布ですので、源泉を汲むのにお金がかかるわけではありませんし、容器を販売するとか、別の何かを買わせるためのものでもありません。

さらに、汲んでくれる人がいるでもなく、自分で蛇口をひねっておしまいですので、お返しを求められるとか、無理難題を突き付けられてもおりません。となると温泉の目的は何なのでしょう?

宣伝効果

まず考えられるのはこれでしょう。生活に必要な町の銭湯はあいていますが、スーパー銭湯などは自粛中。同価格帯のライバルが休業するなか、営業中である告知を上手にすることで、かつてのお客さんや新規のお客さんにアピールできます。無料配布を知った人の口コミやSNSでの情報発信を含めると、その効果は倍増します。蛇口の取り付け費用は、広告費よりも安くすむはず。

体感効果

家庭の浴槽の大きさなら3リットル程度をまぜて利用するのが良いとのこと。こんな少量で効果あるのか?と半信半疑でしたが、湯船につかると、かすかに温泉の香りがし、風呂上りはぽかぽかと温まり、お肌はつるつるに!ほんの少しでこれですから、源泉100%ならばどれほど⁉と思います。

『知ってもらう⇒試してもらう⇒続けて使用してもらう』が商品販売の流れ

源泉を知ってもらい、体感してもらえれば、お客さんになる可能性が高まることはまちがいないでしょう。
お返しをしなければ!と感じる心理的効果『返報性の原理』(互酬性)も期待できるかもしれません。

何よりのポイントは

この温泉が営業中というところ。つまり、源泉を配ることによる追加費用は、ほとんどかからない仕組みです!
(定休日にもいってみましたが、いくら蛇口をひねってもお湯は出ませんでした)

疫病発生で逆風の中、一番の売りを無料提供した見事なマーケティング戦略。恐れ入りました。
さぁ、今日も湯もらいに行くか―。

参考資料

・神戸新聞NEXT
https://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/202004/0013283119.shtml

・公衆浴場業の実態と経営改善の方策https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/yokujou_housaku.pdf

・クリス・アンダーソン著『FREE』NHK出版



ブログ村ランキングに参加しています!
少しでもブログが役に立った!面白い!と思っていただけた方は、下のボタンを”ポチッ”と押して下さい!中小企業診断士が、より社会を”パッと”明るくするためにも、応援よろしくお願いいたします!

にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へ
にほんブログ村

中小企業診断士ランキング

執筆者

じょりさん|中小企業診断士
簿記講師。趣味はお風呂巡りと折り紙。サウナ従業員・レンタルビデオ店員・ラーメン屋などなどを経て簿記講師となる。この春からパソコン講師にもなる予定。モットーは為せば成る。でも人間できないこともある。



よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次