印象は足し算?いいえ累乗です。

優れた接客こそ最強

 こんにちは、新事業推進部に所属している田中誠人です!2回目の投稿になります。

 最近公私ともにいろいろあり、かつコロナ禍・集中豪雨等気が滅入ることも多いですが、「持ち前のネガティブさ×ネガティブ環境=プラス社会」となるよう日々自己研鑽に励んでいます(ノ´∀`*)

 さて本題です。普段携わっている新事業企画段階においては、あらゆる段階で顧客に満足していただくプランを描きますが、本日のテーマはその逆、限られたリソース下で顧客満足をいかにして達成するか、について考えてみたいと思います。

■最近こんなことがありました

 最近こんなことがあったという事例を2つご紹介いたします。

 まずは朝の通勤時間帯のお話。とある関西の私鉄における、それなりに大きな駅のプラットホーム上。私はいつも電車に乗る乗車位置に向かって足を速めていると……到着電車から降りてきて所定の待機位置に就こうとする駅係員、しかし頑として場所を譲らず結果的に私の目の前を遮ることに。翌朝、乗車位置で電車を待っていると、今度は業務そっちのけでひたすら私語をする駅係員の姿。連日に渡ってこの鉄道会社は何なんだ……?最寄りでなかったら、つまり代替可能な鉄道があれば、間違いなくそちらにスイッチするだろう。

 とは言えこの会社、某有名スポーツ球団というメガブランドを保有しているので嫌いにはなれない。

 2つ目は、帰宅途上でのとあるスーパーでのお話。おつかいを頼まれ、慣れないスーパーで期間限定フレーバーのハーゲンダッツを求めて売り場を彷徨っていると、閉店作業が忙しく顧客に全く声がけをしない店員、顧客そっちのけで品出しのカートを運ぼうとする店員。この店はもう二度と使うことはないな(小売業の経験があるので、どうしても小売業に対しては厳しい評価になってしまうんです)、そう若干落胆しつつレジに商品を持っていくと……

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

エクセレントな店員キタ━(゚∀゚)━!

優れた接客サービスは全てに勝ると私は考えています。

 丁寧な言葉遣い、適切なアイコンタクト、話しながらも手作業を止めないテキパキとした接客、レジ袋有料化に伴う配慮の声がけ、そして何よりマスク越しでも分かるホスピタリティ溢れる笑顔と声のトーン!!!!!

 これこれ!こういう接客を求めていたんですよ!!!

 一気にファンになりました(下手すると私のお母さんくらいの歳の方でしたが)

 加えて、待ち時間が長くなったことをすかさず後の顧客に謝りフォローするその真摯な姿勢……まさに完璧でした!!(初めてそのスーパーを使うため、「このクレジット使えますー?」等余計な質問で接客に時間をかけさせた私が悪いのですが汗)

■真実の瞬間

「真実の瞬間」という言葉をご存知でしょうか?スカンジナビア航空CEOだったヤン・カールソンが提唱した概念で、「お客様は、その企業に接する瞬間(ほんの短い時間)で、その企業のサービス全体に対する良し悪しを評価してしまう」というものです。接する瞬間の具体的な定義としては15秒、あるいはもっと短いとも言われています。

 何が言いたいかというと、人口減少というマクロトレンド下において、新規顧客を獲得することが難しくなってきており、既存顧客の維持がこれまで以上に大事になってくる、そのため企業は既存顧客を逃さないよう顧客本位でサービスを再構築する必要がある、ということです。

■足し算?累乗?

 サービス業と言っても小売・飲食・宿泊、はたまたエステ・ジム等業種によって顧客と接する時間は異なります。小売は一瞬かもしれないが、宿泊やエステ等は接する機会も多く、結果的に接する時間は長くなります。その長い接する時間のなかで、悪い印象を与え続けると、いったいどうなるのでしょうか?冒頭に挙げた私の1つ目の事例もそうですし、日常生活での皆様の経験から既にお気付きだと思いますが、足し算ではなく累乗、倍々に印象が悪くなってしまいます。数値で示すと、1回目の悪い印象レベルを1とすると、2回目は4、3回目は9といったように一気に印象が悪くなります。もはや3回目までくると、二度とその店には行かない、という悲しい状況になってしまいます。(これは「負のハロー効果」も影響していると思います)

■終わり良ければ全て良し!

 とは言え、顧客との全ての接点で満足させるためには、従業員の採用・教育、業務プロセスの見直し、新サービス導入、設備投資等様々なリソース・アクションが必要となり、全てを行うことは困難です。しかし、2つ目のスーパーの事例を思い出してみてください。私は最後のレジでの接客が良かったので、次もまた利用しようと思った、そうでしたね。スーパーは、エース級スタッフを顧客の購買プロセスの最後に配置する、最後のプロセスのサービス品質を上げることで、それまでの悪い印象を払拭、いや払拭どころか良い印象に転じさせてしまいました。

 これはビジネスホテルがやたらと朝食に力を入れていることと同じだと考えます。某大手ビジネスホテルチェーンは大浴場付き、地産品を盛り込んだ豪華朝食を売りにしています。正直客室のレベルは高くなく、大浴場も館によるが大したことないケースが多い(あれば良いという程度)です。別段接客レベルが高いわけでもない。しかし、朝食だけは全くレベルが異なり、1,500円程度とそれなりに高価ですが、昼食分も食べてしまおうと思えるほど、バラエティに富み、かつクオリティも高い!そんなハイレベルが朝食が、宿泊プロセスの最後に来るため、顧客は満足してチェックアウトしていくのです。まさに終わり良ければ全て良し、なのです。結果的に、同ホテルチェーンは、口コミサイトでの評価点、とある団体が主催するホテルチェーンランキングで高評価・高得点を獲得しています。

■次につなげよう

 以上のように、最後に良い印象にて顧客との接点が終えられれば、次のご利用に繋げることができます。もちろん、最後に至るまでの各プロセスが赤点ではなく及第点である必要はありますが……。

 ただ、近所のディーラーでよく見かける、雨の日でさえ店員が長々と顧客の車を見送っている光景、あれは本当に顧客に良い印象を与えているのか、とたまに疑問に思います。(私が顧客なら申し訳なくて気が引けます……)

 良いサービスは顧客目線で考える必要がありますね。



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執筆者

田中 誠人|中小企業診断士
Tanaka Masato

大手流通小売業における経営企画業務、大手ビジネスチェーンの事業企画・新規開発、大手製造業における事業企画と幅広い業種の経営に関する経験を持つコンサルタント。 特に管理会計、ファイナンスに強みを持つ一方で、現地現物主義をモットーにしている。歴史と旅行が趣味なシティボーイ?



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