いよいよ最終回!

 みなさんこんにちは!大阪府堺市でみなさまのちょっとした変化を応援しています。山本哲也です。まもなく半沢直樹2最終回ですね。令和の水戸黄門のようになってきましたが、なぜかみんな観てしまうようです。9月20日の第9話(15分拡大放送)は、平均視聴率(世帯)は24.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。9話連続で20%台をキープしているそうです。(YAHOOニュースより)

さて前回の続きです。こちらも間もなく最終回。コロワイドが仕掛けた敵対的TOBの件です。ゲーム終盤になって両社が手を打ち、大どんでん返しかと思われましたが、結果としては、コロワイドの敵対的TOBが成立しました。いったい何があったのでしょうか?

目次

コロワイドが動いた

前回の私の記事の直後に大戸屋は、8月下旬にオイシックスと業務提携を発表しました。(別に私の記事とはなんの関係もありませんが(笑))冷凍総菜やミールキットなどの共同開発を行うようです。オイシックスは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う巣ごもり需要の影響で業績好調で、2020年4〜6月期決算は、売上高が前年同期比42.2%増の231億円、営業利益が約3.8倍の20億円と大幅な増収増益となっています。「このままホワイトナイトになるのか?!」とワクワクしましたが、単なる業務提携との発表のみで終わりました。当たり前ですね。

一方、コロワイド側は8月下旬、TOB成立条件の下限を45%から40%に引き下げた上にTOB期間を9月8日まで延長しました。大戸屋ファンである個人株主たちが、コロワイドの呼び掛けに乗らず、TOB成立に必要な株数が集まらなかったためです。しかし、これが、決勝弾となり、一気にTOB成立となりました。大戸屋ファン株主が一挙に心変わりしたのでしょうか?

コロワイド苦戦の理由

コロワイドのTOBが苦戦していた理由は、ファン株主によるTOB反対だけではなかったようです。
日経新聞などによると…
TOBの成立下限が40%に引き下げられたことで、「利にさとい最大14日間限定の株主が急増した」(証券会社関係者)。
つまり、利ザヤ稼ぎのために市場で株式を買い入れ、コロワイドのTOBに申込んだ、いわば、“にわか株主”
が殺到したようです。目標の取得率を引き下げたことと、取得期間を伸ばしたことで、状況が大きく変わったようです。

どういうこと??

これにはTOBの仕組みを少し説明する必要があります。以前の条件だと、応募が殺到して取得上限の51.32%を超えてしまうと、応募した1,000株すべては買い取ってもらえず、その一部、例えば400株が手元に戻ってきてしまうかもしれません。

それによって何が起きるかというと…。

 戻ってきた400株がTOB終了で暴落する可能性が相当高く、そうなると利ザヤを大きく下回りトータルすると損失となる可能性が高まっています。これらの株主は経営や大戸屋のポリシーに興味があるわけではなく、利ザヤにのみ興味があるのです。だからこのリスクを勘案することは、当然と言えば当然です。

ビッグチャンス❓

コロワイドの条件変更の発表を受けて、TOBへの応募は下限にすら達しなかったことが明らかになりました。言い換えれば、「TOBに応募すればほぼ間違いなくすべて買い取ってもらえそう」(個人投資家)という見方が急速に広がりました。しかも大戸屋HDの株価は8月25日終値でTOB価格を400円近く下回る2700円。
そうです。これはおいしい!!稼げそうだ!! となったことは明らかです。

実際に、26日の売買高は25日の9倍以上に膨れ上がった。9月3日までの7営業日の1日平均売買高を見ても、8月25日までの7営業日の2倍を超えている。こうした人たちにとっては、独立経営を訴える大戸屋や「大戸屋HDは我々が立て直せる!」と主張するコロワイドの戦略のどっちが正しいかになんて「そんなのカンケーねー」です。

テレビのニュースで女性株主が「みんなでがんばりましょう!と株主総会で話したのに・・・みんななんで裏切っちゃったのかしら。」と涙ながらに話していましたが。「たぶんみんなが裏切ったのではなく新しい登場人物が現れてドラマが急展開しただけですよ。」と彼女に伝えてあげたいです。このような急展開など起こらなければ、ホームドラマのようなハッピーエンドが待っていたのに。このようなマネーゲームに巻き込まれたことは本当に残念です。

くして最大14日間限定の新たな投資家の登場は、結果として大戸屋HDを苦しめることになりました。TOB期間延長を発表した後、コロワイド幹部はTOB成立に自信を見せていた裏には、このようなシナリオを描いていたとすれば「すごい。」と言わざるを得ないですが、もう少しスマートにできなかったのでしょうか。コロワイドの企業イメージにとってマイナスでしかないと思うのですが・・・

いよいよ最終回。

コロワイドが臨時株主総会の開催を迫り、経営陣が一新されるようです。その候補者の中には、大戸屋創業者三森栄一氏の名前があるとかないとか・・役員人事、経営方針、反対派だった社員さん、顧客の動向。どれも目が離せませんね。

山本 哲也|中小企業診断士 Tetsuya Yamamoto 日本で最も早くフランチャイズチェーンシステムを取り入れ普及させたフランチャイザーに1989年から勤務。清掃スタッフを皮切りに,全国のフランチャイズ店の育成・指導,事業計画の策定,新規事業開発,法人営業などを経験。“リーダーの能力を超える事業成長はない”と考え,人の成長ありきの支援を実施。趣味は,アウトドア全般と飲み歩き。とにかくじっとしていられない。

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