こんにちわ、IT業界でエンジニアとして活動しています、山本篤司と申します。本稿が初稿となります。どうぞよろしくお願いいたします。長年、スポーツに取り組んできたことから、スポーツの力で社会をパッと明るくできないかと考えています。スポーツをテーマにブログを執筆していこうと思っていますが、今回はリスクマネジメントについてお話しさせていただきます。
コロナウィルスによる緊急事態宣言が続いておりますが、私は今現在も現場に赴いて作業を行っています。多くの企業がテレワークを推進するなか、未だに出社していることに驚かれることがあります。不要不急の外出は自粛と言われているなか、飲みに出歩いている方を目にすることもあります。われわれSANの活動拠点である大阪では、休業要請に応じないパチンコ店が話題になりました。
政府が人と人との接触機会の削減を求めるなか、なぜこのように企業や個人によって行動に違いが生じるのでしょうか。今日はこの行動の違いを、PMBOKのリスクマネジメントを元に、考察したいと思います。
PMBOKとは
PMBOKとは、プロジェクトマネジメントに関する知識や方法を体系立ててまとめたもので、プロジェクトを推進していくうえで、管理すべきこととして10個のテーマを上げています。そのなかの一つに、「リスクマネジメント」があります。
リスクマネジメント概要
PMBOKではリスクマネジメントを、リスクマネジメント計画、リスクの特定、定性リスク分析、定量リスク分析、リスク対応計画、リスク監視のフェーズに分けています。
リスクマネジメント計画
リスクマネジメント計画では、役割や責任の明確化、リスクマネジメントを行う上でのルール等を決定します。
リスクの特定
リスク対策を行うには、まずリスクを特定することが必要です。ブレーンストーミングなどの情報収集技法、SWOT分析などのツールを用いてリスクを洗い出します。
定性リスク分析
特定されたリスクに対して、発生確率と発生した際の影響度を掛け合わせリスクに得点付けを行いリスクに優先順位を付けます。
定量リスク分析
定性リスク分析で優先順位の高いリスクに対して、より詳細に分析します。
リスク対応計画
回避、転嫁、軽減、受容の四つの戦略から、リスクへの対応方法を決定します。
リスク監視
状況の変化により新たなリスクの存在、リスクの優先順位の変化を監視します。
このように、PMBOKのリスクマネジメントでは、リスクの重要度をリスクの発生確率とその影響度から算出しリスク対策を行います。 このことは、みなさんが生活するうえで知らず知らずのうちにやっていることであります。
例えば、普段通勤で電車を使う時には電車が止まった場合のことを意識することはありません。けれども1年に1回の試験を受験する日を考えればどうでしょうか?電車が止まってしまうリスクを考え、少し早めに家を出たりしますよね? これは電車が止まるというリスクは同じですが、その影響度の違いから行動に違いが生じていると言えます。
では、まず私の職場がなぜテレワークが進んでいないのか、分析したいと思います。緊急事態宣言発令直後、私はプロジェクトマネージャー(以降PM)に、テレワークにしないのはなぜかと問い合わせました。その時のPMの回答が、「今はメンバー間で連携を取り合う必要がある、そしてテレワークではセキュリティ面での不安がある」とのことでした。
私自身過去にメンバー間との情報連携がうまくいかずに、製品の品質が悪化し、後に大変な目にあったことがあります。PMは品質悪化のリスクと、コロナ感染リスクで定性リスク分析を行い、品質悪化のリスクのほうが優先順位が高いと判断したのかもしれません。
セキュリティの件についてはリスクの特定ができてなかったと考えられます。仮に1月2月の段階でコロナウイルスの感染拡大による外出制限をリスクとして認識し、リスク監視を行っていれば早い段階でテレワークのための環境を用意することができたかもしれません。
冒頭でふれたパチンコ店ですが、現在府内のパチンコ店はすべて休業に応じたという記事を目にしました。 そしてその中で、パチンコ店オーナーのコメントが目に留まりました。
「何度もマスコミさんに説明していますが、パチンコは固定費がかかる商売。うちなら1店舗あたりパチンコ台のリース料、月300万円、人件費300万円、電気代130万円と、維持費にお金がかかります。休業要請に従っても補償はない。あってもわずかな額だけです。政府系金融機関や保証協会は、パチンコ店が風俗業だと融資の対象から除外しています。お金を返すから一時的に金を貸してとお願いしても審査が通らない。ならば、吉村知事ににらまれても営業したろうやないかとなるんです。しかし、従業員は感染不安を訴えるし、吉村知事の親分、橋下徹さんもテレビやSNSでパチンコ店は休業せよ、と言っている。もうお手上げ、あかんと悟りました」
引用元:YAHOO!ニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200430-00000063-sasahi-soci&p=1
当初は融資や補償がなく、固定費にお金がかかるため店を休業して現金収入を失うリスクが最も大きかった。その後従業員からの感染不安の訴えから、従業員が辞めてしまうリスクや、テレビやSNSの呼びかけにより社会的リスクを認識し、それが現金収入を上回るリスクとなり、休業要請を受け入れたと考えられないでしょうか。
企業や個人それぞれに立場があり、置かれる状況も様々です。むろん認識するリスクも。認識するリスクが異なれば、それに対する行動も変わってきます。
逆の言い方をすれば、各人が同じリスクを認識すれば足並みをそろえ接触機会を削減し、いち早い緊急事態宣言の解除が期待できるかもしれません。
今の我々に本当に必要なことは何か、そして我々にあるリスクは何なのかを共有することが大切なのかもしれません。
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執筆者
山本 篤司|中小企業診断士
Yamamoto Atsushi
要件定義からテストまで、全行程をこなすIT系エンジニア。お客様からは、問題意識の高い技術者と評価を得ている。
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