【取材記事】ブルジャラン萩森知洋さん(ピラティス)③

第3回、最終回となりました、三重県名張市でボディケアピラティススタジオ「ブルジャラン」を経営されている萩森知洋(はぎもりともひろ)さんのお話しをご紹介します。

SAN

記事の中で重要な箇所に各種マーカーを引いています。
オレンジ色は、概要的な部分
緑色は、社長の想い
黄色は、独自の経営の特色
となっています。

前回はお客様との接点のお話、サービスを継続してもらうための工夫やセッションについてのお話をいただきました。

もってぃ

新型コロナウイルス感染症は事業にどのような影響がありましたか?

萩森さん:コロナ時期には確かにこの業種はお客さんがやはり減りました。「人口が減るとはこういうことだ」と早い段階で実感ができました。人口が減って、人が動かなくなるというのはこういうことなんだと。

こうなると、私がどれだけ宣伝を打ったとしても売上は減ってしまうことに気づきました。

オープンして順調に一年が過ぎていたらこんなことに気づくこともできなかったと思うのです。人口が減ってきてから考えてたと思うと、早い段階でこのことに気づいたのは大きいなと思っています。

この出来事があったことで、今後の経営方針について真剣に考えることができました。

やまてつ

今後の経営方針についてお聞かせください。

萩森さん:まずは、ブルジャランの経営を安定させたいと考えていますが、名張市の人口減少は絶対に起こると言われています。日本全体でも同様ですが。そうなった時、この業種は多分尻すぼみになってくると思っています。さらに、国内は競争も激しくなっており、市場も小さくなってきています。そのため、日本市場はどんどん低単価の戦いになってきています。資本の大きい企業は人を多く雇って、多くの顧客の対応にすることで、利益を生むことが可能ですが、私のような小さな業態では太刀打ちできません。私はここが好きだし、この仕事が好きなので、この事業を継続していくには?ということを考えて、収入を安定させるために外に出ようと思っています

やまてつ

外とは?

萩森さん:海外事業、特にアジア諸国を考えています。

将来的に海外事業を安定させて、ブルジャランを守るということを考えています。アジア諸国は日本と違って若年層の人口が多く、働き手の割合が多くなっています。そのため、経済成長が促進されています。経済成長が促進されることで、若年層の所得が増え、衣食住が安定してきています。そして、その次は美容を求めていくと考えています。ピラティスだけでなく、美容施術、それプラス小顔とか。タイがまさにモデルケースです。四十代・五十代の方が増えてきて、美容系の業種のシェアが大きくなっています。それを他の国でやろうかなっていう感じですね。元々日本の化粧品などの評判が高くブランド力がありますので、そこに対して日本高い施術技術を持っていくようなイメージです。

たっつん

海外進出する上で懸念点はありませんか?

萩森さん:美容鍼は、宗教上の理由などで使用できませんので、メインサービスは施術を考えています。ただ、海外においては法的にグレーで、すぐに模倣されてしまいます。

実は、鍼灸は中国から伝わって日本で進化しているんです。ただ、海外で、「これいいぞ」となれば、権利関係なども無視されて、すぐに模倣されてしまいます。そうなると、現地の大きな資本を持っている企業や人に負けてしまいます。

 そのため、私一人での海外進出はとても難しいと思うんですが、実は海外事業でしっかりとしたチームがあって、そこに参加をさせてもらっているんです。今はコロナの影響でチームの代表の方は帰国していますが、その方は、普段ベトナムで頑張ってらっしゃって海外事業のシステムを動かしてくれているので、それを活用させてもらうことで、海外展開を進めていきたいと思っています。

たっつん

ここでスタッフを育てて、ご自身が県外や海外に出ていくという選択肢について考えられましたか?

萩森さん:狭い町ですのでなかなか難しいです。みんな、大阪や名古屋へ出ていく人が多いです。数本さんは大阪に出て、こちらに帰ってきてくださっている貴重な人材ですね。

たっつん

どのような人が都会から帰ってくるのでしょうか?

数本さん:一度名張を出て、都会で働くのですが、「やっぱり田舎がいいよな」と思って戻ってくる人が結構多いかなと思います。なので、両親とかも同じ団地に住んだり、同居したりするケースもお聞きしますね。

普段は田舎を満喫して、少し刺激が欲しければ都会にもすぐに出られますし、結構恵まれた立地環境ですね。最近はやりの“ワーケーション”などのスタイルに近しいのかなと思います。

萩森さん:私は中学校の時、父の仕事の関係でインドネシアに住んでいたのですが、生まれはここ名張です。名張の良い所は恵まれた自然環境がすぐそばにあることだと思います。

しかし、ここで仕事をして暮らしていくのは別物です。名張の人口は増えることはないですから、大変です。植物に飲まれるんじゃないかなっていう家も多いですよ(笑)

やまてつ

技術があるので外に出て行くことも可能だと思いますが、なぜ名張なんでしょうか?

萩森さん:やはり生まれ育った場所ですから。私は名張と言う土地に暮らせる方が増えてほしいという思いが強いです。そのためにも雇用の場も増やして、元気な町にしていきたいという想いがあります。そうなると、健康産業というのは大事になってきますので、そこを担っていきたいと考えています。消防団の活動にも参加しているのですが、名張を盛り上げたいという思いで入っています。

もってぃ

チャレンジしたいことは何ですか?

萩森さん:健康フェスタみたいなことに取り組んでみたいですね。面白そうですし。同業の集まりもないので、まだそこまで至っていませんが。

ただ、健康って、お金の順位から言うと食よりも下で省かれることが多い部分なんです。だけど健康ってすごく大事ですし。そこの順位って本来は上がるはずなんです。

なので、そういうことをやりたいんです。健康というキーワードで集まって活動ができればいいですよね。この辺りは自然食のカフェやレストランも多いので、別に同業だけでなく、医食同源みたいのもありだと思うんです。

今後は、個の力よりもつながりの力になってくると思うんです。強みを活かすという意味でも、同業で集まって、私のできないことはあそこに頼むとか……。そういうつながりというものが大事になってくると考えています。

名張がもっと盛り上がるためにもお客さんがいろんな人と出会って、一緒に集まって話が聞ける場があったらすごくいいと思うんです。

数本さん:実は2020年の夏に若い経営者が集まってフェスタをやろうという企画があったんですが、コロナの影響で1週間前に中止が決まってしまったんです。とても残念でした。名張でもこんなに若い経営者さんが頑張っているんだよということを示して、もっと起業がしやすい活気のある町にしたいなと。それが私たちの考えです。それによって仕事が増えて、働く場所が増えて、若い人たちがここで住んで、人口が増えるという好循環が生まれた町になるんじゃないかなと思っていろいろやっています。

萩森さん:名張というのは雇用の場が少なくて、ほとんどの人が工場勤務なのです。中学生・高校生がその考えのままで育っていって、いずれ自分は工場で働くんだなと思うのが一般的ですね。

だからこういう仕事、こういう働き方もあるんだよっていうことを彼らに示したい。自分で事業をしている私たちが発信していかないと駄目だという部分でもあります。

たっつん

これからの課題と健全な危機感について勉強させてもらいました。イベントの案内お待ちしています。

萩森さん:是非来てくださいね。

SAN

ありがとうございました。

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