「デザイン思考」と「中小企業診断士」の関わり vol.4

「デザイン思考」による差別化を目指して

 こんにちは、ヤマジュンです。ブログも5周目突入です!継続は力なりといいますが、続けることは何よりも大切な反面、大変なことやなと実感してます。中小企業診断士の資格を取ったものの、活動を続けてる人はなかなか少ないと思います。せっかく苦労して取ったのに、その後どうすれば良いかわからない。そこに対する唯一の答えは、当然ないのですが、こういう風にすればいいのかをひとつ形に出来ればと思っています。それが、社会をパッと明るくに繋がると信じてますので、引き続きよろしくお願いいたします。では、私の個人的なテーマである、「デザイン思考と中小企業診断士」について今回も執筆していきたいと思います。

 前回のおさらいを少しさせていただきたいと思います。概念として、 『デザイン思考の5段階』という思考モデル があることを、前回述べました。それは下記のとおりです。

(1) 共感 (Empathise) – ユーザーの行動を理解し、寄り添い、何が問題なのかを見つける
(2) 定義 (Define) – ユーザーのニーズや問題点、みずからが考えることをはっきりさせる
(3) 概念化 (Ideate) – 仮説を立て、新しい解決方法となるアイデアを生み出す
(4) 試作 (Prototype) – 問題に取組み始める
(5) テスト (Test) – 検証こそが解決方法

引用元:「デザイン思考」とは?AppleやGoogleも採用している話題のアプローチ方法をわかりやすく解説

 ふとこの思考モデルに注目していた時に、気づいたことがあります。それは、

ユーザーやクライアントへの診断業務に、
この思考プロセスを使っているということ

 です。普段意識しておらず、それでも知らず知らずのうちに、デザイン思考が中小企業診断士には染みついていたのです。その上で、さらに考えられることとして、

デザイン思考を更に取り入れることで、
基本的な診断士としての思考法をバージョンアップする方法があるのでは

こちらが今回のテーマになります!

【今日のテーマ】”デザイナー思考”を深堀して診断士としての差別化を目指す


 では早速ですが、上述したように、診断士にはデザイン思考が既に備わっている!と豪語しておりましたが、果たしてそれは正しいのでしょうか?改めてデザイン思考の5段階ですが、下記のようになっております。

(1) 共感 (Empathise) – ユーザーの行動を理解し、寄り添い、何が問題なのかを見つける
(2) 定義 (Define) – ユーザーのニーズや問題点、みずからが考えることをはっきりさせる
(3) 概念化 (Ideate) – 仮説を立て、新しい解決方法となるアイデアを生み出す
(4) 試作 (Prototype) – 問題に取組み始める
(5) テスト (Test) – 検証こそが解決方法

引用元:「デザイン思考」とは?AppleやGoogleも採用している話題のアプローチ方法をわかりやすく解説

 これを見られて、

あ、俺は出来てるな。誰に何をどのように、という切り口で顧客に共感しながら、仮説をたてながら話をすすめているし!

と思われた方。はい、その思考法をバージョンアップさせましょう(笑)といいますのも、この5段階に限らず何事もつきつめて考えなければ、差別化にはなりません。表面的な理解はおそらく全ての診断士の方は出来てらっしゃると思いますし、じゃあさらにその上は?と考える必要があります。

他の診断士と差別化をするために、深く理解をする

先ほどの5段階ですが、デザイン思考をする上での注意事項が述べられています。デザイン思考を表面的にとらえるだけでなく、本質を捉えるために必要な情報があります。それを診断士的な内容に、1項目づつ落とし込んでみたいと思います。

(1) 共感 (Empathise)

まず、ビジネスの基本中の基本、ユーザーの思考を理解し、そのニーズを探ります。なぜそのサービスが欲しいのか、サービスを手に入れた先に何を求めているのかを想像します。ここで注意したいのは、「ユーザー第一主義」と「ユーザーに共感する」というのは全く別物であるということです。ユーザーが語る言葉を鵜呑みにするのではなく、自分が本当にユーザーの気持ちになった時、どんな感情を抱いていて思考をするのか、そこまで徹底的になりきることが大切です。

引用元:デザイン思考とは?5分でわかりやすく解説!メリットやフレームワーク集も紹介

これを診断士的に考えるとどうでしょうか?置きなおして考えてみたいと思います。

(1) 共感 (Empathise) -診断士バージョン
まず、顧問先の社長の考えを理解し、どのようにしていきたいかという方向性を探ります。なぜそのドメイン(事業領域)に進もうとしているのか、そこでの事業展開が成功した先にはどのような可能性があるのかを想像します。ここで注意したいのは、「社長第一主義」と「社長に共感する」というのは全く別物であるということです。社長が語る言葉を鵜呑みにするのではなく、自分が本当に社長の気持ちになった時、どんな感情を抱いていて思考するのか、そこまで徹底的になりきることが大切です

 置きなおしてみて、自分自身ハッとしました。これが出来ている中小企業診断士、ひいては企業内診断士はどれだけいらっしゃるのでしょうか?当たり前に大切なことのはずですが、実際はこれほど難しいことはないと思います。共感をする場面といえば、企業のヒアリングを行う時でしょうか。私も診断士になってから、数社のヒアリングを経験させていただきましたが、事業を主として行う社長になりきって考えることが出来ていたかというと、不十分だったかなと思うことがあります。

 本当のニーズ、困りごと、そういったことに十分共感できないと、安心してお任せしたいと思われるまでには至れないのかな、と実感しています。

『企業内診断士』の弱み

 企業内診断士の圧倒的な弱み、というのは、

他での収入があるからこそ、別の事業で収入がなくても、そこまで困ることはない

ということだと思います。先ほどのデザイン思考の共感で、社長の気持ちになって徹底的に考えてみると、下記のように思われるのかと思います。

あなた達は、リスクをとって自分達でなにか事業を行っているのですか?自分たちの業界で長年やってきて成功してきた方なのですか?別の業種でサラリーマンとして、特定の分野のスキルは身につけられてきたかもしれません。経営学を学ばれて診断士になられたと思いますが、机上の空論ではなくて実績はあるのですか?それらがないのであれば、アドバイスは受け入れられません。

書いててちょっと刺激が強いなと思いました(笑)。いや、実際にこんなことを言われることはないですよ!しっかりと、こちらのお話を真摯にお聞きいただけるかたが大半です。でも、仮に私が社長の立場であれば、お話を聞きつつも、少しばかりこのような気持ちが沸き上がってしまうのが普通ではないかと思います。

だからこそ、SANでは

・それぞれの分野の強いところを活かして、一番役に立てるところを全員でカバーできるようにする
・一つの事業を行っていると真剣に考える。全員が代表として、どうすべきかを考える

といったことを重視して活動を行っていきたいと考えています。

次回、”定義 (Define) – ユーザーのニーズや問題点、みずからが考えることをはっきりさせる”を診断士的に考察する。

 今回、共感という切り口から、改めて診断士的に不足しているところ、考えるべきところをお伝えいたしました。とても大事なのに、なかなか壁が高い。でもだからこそ、そこを突き詰めて考えられる中小企業診断士が、他と差別化を出来るものだと考えております。

 次回は、二つ目の”定義”に関して中小企業診断士的に考えてみたいと思います。これは普段から考えられているんじゃないかな~、と思われている方。思考をバージョンアップしましょう(笑)出来ていると思っていることが、実は出来ていないということは多々あるかと思います。私のことですが(笑)乞うご期待ください!


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執筆者

ヤマジュン|中小企業診断士(認定支援機関)・ウェブ解析士
製造業にて管理会計や標準原価計算ベースの原価管理、連結会計による海外子会社管理などに取り組む。会計、システムの本当の意味での活用方法を、日々試行錯誤。デザイン、WEBマーケティングに関しても興味があり、スキル向上に励む毎日。


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