「デザイン思考」と「中小企業診断士」の関わり vol.5

「デザイン思考」による差別化を目指して

 こんにちは、ヤマジュンです。ブログも6周目突入です。もう今年は最後の執筆になります。早いですねー。前回も書きましたが、中小企業診断士の資格を取ったものの、活動を続けてる人はやっぱり少ないのかなと思います。そもそも資格を使って活動をしようと思っていない人、独立を考えていない人、そのような方が大半だと回りを見ると感じます。しかしそのような視点というのは、このSANで活動していないとわからなかったことばかりで、この活動を継続して本当に良かったと思っています。この経験をシェアしてより多くの方に気づきを与えられればと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。では、私の個人的なテーマである、「デザイン思考と中小企業診断士」について今回も執筆していきたいと思います。

 前々回同様おさらいさせていただきます。デザイン思考の概念として、 『デザイン思考の5段階』という思考モデル があることを、前回述べました。それは下記のとおりです。

(1) 共感 (Empathise) – ユーザーの行動を理解し、寄り添い、何が問題なのかを見つける
(2) 定義 (Define) – ユーザーのニーズや問題点、みずからが考えることをはっきりさせる
(3) 概念化 (Ideate) – 仮説を立て、新しい解決方法となるアイデアを生み出す
(4) 試作 (Prototype) – 問題に取組み始める
(5) テスト (Test) – 検証こそが解決方法

引用元:「デザイン思考」とは?AppleやGoogleも採用している話題のアプローチ方法をわかりやすく解説

 この思考モデルからの結論は、中小企業診断士は既に、

ユーザーやクライアントへの診断業務に、
この思考プロセスを使っているということ

 です。そして、ただ表面上ではなく、

他の診断士と差別化をするために、深く理解をする

 ことが大切だと述べさせていただきました。(詳しい経緯は前回の記事をご覧ください)今回は、「 (2) 定義 (Define)」を深堀りして差別化を目指していきたいと思います!

【今日のテーマ】”デザイナー思考”を深堀して診断士としての差別化を目指す(2)定義について


 では早速、テーマにあります、 (2) 定義 (Define) – ユーザーのニーズや問題点、みずからが考えることをはっきりさせる を深堀していきましょう。より具体的に、定義を捉えると以下のように述べられています。

(2) 定義 (Define)

 多くの場合、ユーザーは自分が求めているニーズの本質を理解していないことが多いです。つまり、「大きなベッドが買いたい」という顕在的なニーズを聞いて終わるのではなく、その先の「忙しい日々でも快適な眠りを作りたい」という潜在的なニーズを探り、最適解を考え抜くのがここでいう定義です。定義は、これからの概念化の下地となるので、慎重に決めていきましょう。

引用元:「デザイン思考」とは?AppleやGoogleも採用している話題のアプローチ方法をわかりやすく解説

 前回同様これを診断士的に考えるとどうでしょうか?置きなおして考えてみたいと思います。

(2) 定義 ( Define ) -診断士バージョン
 多くの場合、顧問先の社長は自分が求めている今後の方向性に対する想いを理解していないことが多いです。つまり、「売上・利益をあげたい」という表面的な想いを聞いて終わるのではなく、その先の「社会に役立てるサービスを提供or従業員満足を優先した経営をしたいor新規領域に進出して名前を世に広めたいなど…」という潜在的な想いを探り、最適解を考え抜くのがここでいう定義です。定義は、これからの概念化の下地となるので、慎重に決めていきましょう。

ちなみに、前回置きなおした(1)共感は以下となります。

(1)共感 (Empathise)-診断士バージョン
 まず、顧問先の社長の考えを理解し、どのようにしていきたいかという方向性を探ります。なぜそのドメイン(事業領域)に進もうとしているのか、そこでの事業展開が成功した先にはどのような可能性があるのかを想像します。ここで注意したいのは、「社長第一主義」と「社長に共感する」というのは全く別物であるということです。社長が語る言葉を鵜呑みにするのではなく、自分が本当に社長の気持ちになった時、どんな感情を抱いていて思考するのか、そこまで徹底的になりきることが大切です

 (2)定義、ですが前回の共感と似た内容となっております。ただそれだけ大切だということ。共感によって社長がどのような感情をいただいているのか、それに関してまずは徹底的になりきる。そしてその想いを感じた上で、より踏み込んだ方向性・具体的な戦略について最適解を考え抜く、ということが必要となってきます。

 徹底的考え抜く、これらは簡単なようで、実に多くの人にとって困難なことだと私は思います。

どこまで真剣に考えられるのか?

 診断士的な活動を行う機会をいただきそれらを行う一方、先日独立されて活躍されている診断士の先生にご挨拶する機会がありました。そこで語られていたことが、

診断士として活躍されている人は、実務経験の少なさから、一度大きく挫折している。大きく凹む経験を経て、そこから大きくなる。

 ということです。これは、上述の話にもつながるなと思いました。診断士としての知識を得て、診断士になるが、それに加えて、徹底的に、中小企業の社長の立場で考えることが出来るか考えた時に自分が提供できる価値はなんなのか。それらを含めて、つき進んでいける人が中小企業診断士として、本当に活躍出来るのだと思います。

次回、”概念化 (Ideate) – 仮説を立て、新しい解決方法となるアイデアを生み出す”を診断士的に考察する。

 今回、定義という切り口で、考えるべきところをお伝えいたしました。前々回記事同様、大事なんだけどおそらく多くの診断士が出来ていないことだと私は思います。だからこそ、より一層、他と差別化を出来る要素だと確信しています。

 次回は、三つ目”概念化”に関してです。仮説を立てて、新しい解決方法となるアイデアを生む、多くの中小企業診断士の方が得意とするところではないでしょうか?ただ、そこにデザイン思考の概念を取り入れるとどうなるか、「誰に何をどのように」といった切り口から、新たな視点を生み出すことが出来るのか?一緒に考えていければと思います!乞うご期待ください!


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執筆者

ヤマジュン|中小企業診断士(認定支援機関)・ウェブ解析士
製造業にて管理会計や標準原価計算ベースの原価管理、連結会計による海外子会社管理などに取り組む。会計、システムの本当の意味での活用方法を、日々試行錯誤。デザイン、WEBマーケティングに関しても興味があり、スキル向上に励む毎日。


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