MOTとは、Management of Technologyの頭文字をとった言葉です。
技術経営と翻訳され、科学的知識や工学的知識をはじめとした技術的な知識をどのように管理し、役立てていくのかを示します。
という事で、MOTについて話をしていきたいと思います。
MOTがなぜ必要とされてきているか
技術経営を訳されていますが、技術力をベースにして、商品開発やマーケティング、経済的な価値や利益を含んだ経営視点も兼ね備えた技術者が必要となってきているということです。
いかに技術力が優れた商品であったとしてもニーズに合っていなければ、消費者に見向きもされないといったことです。
バーチャルボーイ
ゲームに例えると、バーチャルボーイというゲームハードがあります。
https://www.nintendo.co.jp/n09/vue/index.html
1995年に発売されたのですが、ゴーグルタイプのヘッドマウントで3Dゲームをするものです。
そうです。OculusやPSVRよりももっと前に3Dヘッドマウントのゲームがリリースされていました。
当時は革新的ですごく興味深いものがあったのですが、いかんせん、ゲームハードを購入する資金力がなく、あきらめました。
結果的に、販売台数は国内では15万程度、全世界中累計でも77万となっています。
ハードのコンセプトが消費者に伝わっていなかったのか、それとも、早すぎたのか。
私自身は「娯楽の一つとしてゲームがある」という時代の始まりであったため、一般家庭に浸透しずらかったのではないかと思います。
ゲームはまだまだ好きな人だけがする時代でした。
技術者・開発者もマーケティングを知ろう
開発をするにあたり、今や当然とされていることですが、その開発製品や商品を求める人がどれほどいるかを考えて製品開発や商品開発をする必要があります。
所謂シーズの製品開発では、技術力が高くても売れない、利益につながらないといった問題が発生します。
そして、市場がありそうだ。と思えば、その製品開発をするにあたり、自社の資源で作り上げられるか?といった開発部門や技術部門の資源の棚卸・技術の棚卸が必要です。
新規市場で新規製品を作り上げる事は実に困難で、作り上げた戦略をもって行動しないと失敗の可能性が高いです。
ということで資源の棚卸は絶対にしましょう。
解決する機械を開発する
では、資源の棚卸も終わりました。
次に考えることは、収集したニーズは「何を解決してほしいか」という深堀です。
よくあるのが、こんな機械を開発してほしい。というものです。
ために夢物語で現実性のない提案もありますが、たまに楽しそうな提案もあります。
さて、ではその機械は何を解決してくれるか? を考えます。
その機械があれば、顧客のお困りごとが解決できるはずです。そのお困りごとが解決すれば、顧客にとってどんないいことがおこるか想像またはヒアリングしながら開発すると、市場にマッチした製品開発ができるようになります。
生産能力が向上できる機械の開発依頼が来た場合、単純にその工程だけの生産能力を向上すればいいのか? それとも、全体の工程も短縮できるような、生産設備が欲しいのかをイメージするだけで全く違う視点で考えることができます。
例えば、以下のような工程があったとします。
①乾燥→粉砕→圧縮→輸送
これを生産性向上する機械を考えると
②乾燥→粉砕(150%)→圧縮→輸送
③乾燥粉砕→圧縮→輸送
このように②を考えるか③を考えるかで全く違う製品開発となってきます。
顧客はどちらをより望んでいるのでしょうか?
といったヒアリングが必要となってきます。
他の技術開発にも応用できる考え方ですので、是非とも、自社の技術力だけの視点ではなくて、経営的な視点ももって見てください。
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執筆者
数本 優|中小企業診断士
Sumoto Yu
/企業内整理収納マネージャー
/大阪府中小企業診断協会WBP研究会・代表
製造業で研究開発業務に携わり、自ら開発した機器は1年で市場に出た経験あり。一方で整理収納術の伝道師として、整理手法がわかりやすいと好評を得ている。
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