パッと明るくしましょう!
こんにちは、数本です。さて、今日は明るくなる話をしましょう。
普段、仕事場で作業しているときに、なんだか、ワークが見にくいな……。文字が見えにくいな……。検品するのに時間がかかるな……。そう思っている作業場所は明るさが足らないかもしれません。
実は
作業内容によって、適した明るさ、最低限確保すべき明るさがあるのはご存知でしょうか?
労働安全規則606条では作業区分に応じた最低の照度が、JISでは照明基準が設けられています。
内容の紹介をする前に、間違えやすい、照度と輝度について説明します。
照度
単位面積当たりに入射する光の量。単位はlx(ルクス)。
光源によって照らされている面の明るさの程度を表します
輝度
光源や被照面が発するある方向への光度を、その方向への見かけ上の面積で割った値。単位はcd/m2(カンデラ毎平方メートル)。
人の目に入る光の量を表します。
労働安全規則
606条
作業区分:基準
精密作業:300lux
普通の作業:150lux
粗い作業:70lux
この数値は最低の照度であるため、作業するにあたり、決して十分ではない明るさと言われています。
ただし
これより照度が下回る場合、罰則の対象になる可能性があります。
JIS Z9110照明基準
作業場所の照度は三つがあります
- 作業に必要な照度
- 安全確保
- 快適な作業環境をつくる
細かい視作業が必要な精密作業では高い照度を必要とします。とはいえ、作業場所は数多くあり、すべてを高い照度にするのは光熱費の上昇を招き、高い照度を常時浴びるとストレスを強く受けます。そのため、局所手的な照明を併用することが多いかと思います。
照度(lux) | 場所 | 作業 |
75~150 | 出入口、通路など | ごく粗な視作業 |
150~300 | 洗面所、倉庫など | 粗な視作業 |
300~750 | 会議室など | 一般的な視作業 |
750~1500 | 設計、製図、事務室 | 細かい視作業 |
1500~3000 | 計器盤、制御盤など | 極めて細かい視作業 |
非常に精密な視作業の場合:1500Lx
精密機械や電子部品の製造など、1mm程度の傷を見つける必要がある位に、非常に精密な作業が必要にされる場合に必要です。手元がきっちりと見える必要があります。
やや精密な視作業の場合:750Lx
選別、検査、分析等の見落としをなくし、小さなものを見つける必要がある作業です。
細かな文字や繊維を見つけるには、それなりの明るさがなければ作業員に大きな負担となります。
普通の視作業の場合:500Lx
組立作業や梱包など、一般生活の中でも明るさで作業に困らないような、それほど細かくないと判断される作業の場合です。
倉庫内事務の場合:300Lx
倉庫内で行う組立や検査、試験、包装などの全般的な作業です。
その他倉庫内作業の場合:100~150Lx
倉庫内で行うような作業が該当します。
ところで、明るさを変えるということで、ある言葉を思い出しました。
ホーソン実験
ある時、工場での作業効率を高める要因についての調査が行われました。手元の明るさや、休憩時間などを変化させて、どの条件が作業効率に強く影響するのかを調べられました。
照度の下げたりしたようです。
上述した考えでは作業効率は下がるはずです。
しかし、本来ならば作業効率が落ちる条件である照度を下げたときにも、労働者の作業効率が上がる結果となりました。
ホーソン効果
実験の目的は生産性向上において、何が起因するのかを導き出すことでした。
ホーソン実験の結果から、生産性向上には物理的な労働条件である作業環境ではなく、
なんと
職場の人間関係や仕事に対する想いなどの感情が影響することがわかったということです。
どうやら、このホーソン実験では、自社の工場が実験の対象に選ばれたことで、そこに働く従業員は「期待されている」という意識が芽生え、一人一人が努力するようになったということです。
注目されている、観察されているという事実だけで、対象者の行動に変化が起きることをホーソン効果と呼びます。
照度を上げることにより、作業環境が向上することで作業効率は良くなりますが、本当の意味での作業効率を上げたいのであれば、明るさだけでなく、短時間でも継続してコミュニケーションをとることが重要と言えるでしょう。
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執筆者
数本 優|中小企業診断士
Sumoto Yu
/企業内整理収納マネージャー
/大阪府中小企業診断協会WBP研究会・代表
製造業で研究開発業務に携わり、自ら開発した機器は1年で市場に出た経験あり。一方で整理収納術の伝道師として、整理手法がわかりやすいと好評を得ている。
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